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クリチーバ=草の根で文協支部を改築=学生らから感謝の声も

ニッケイ新聞 2012年11月24日付け

 在クリチーバ日本国総領事館(山口登総領事)が今年3月にクリチーバ日伯文化援護協会と締結した、草の根・人間の安全保障無償資金協力の無償資金贈与契約に基づくクリチーバ市医療・学習環境改善計画が完了し、10日午後、落成式が実施された。関係者約50人が出席した。
 文協のセントロ支部は、79年に建てられた地下1階地上4階建ての建物で、1階は事務所と歯科診察室、2〜4階はクリチーバ日伯学生寮として利用され、学生58人が入寮する。今回、草の根資金により、築35年の同建物の改築作業が支援された。
 落成式で、石井ジョルジ文協会長と学生寮のヤマガミ寮長は「ずっと待ち望んできた改修工事の夢が叶った。日本政府にお礼を言いたい」と、支援への感謝を示した。
 山口総領事は「州遠方に住む学生にも、都市部で勉強できる環境を提供していきたい。十分に活用される事を期待する」と伝えた。
 きれいに修復されたサロンで学生寮の歴史を物語るスライドが上映されたほか、寮生により日本語での乾杯が行われた。
 3年半同寮で生活する松下ヤスミネさん(21、四世)も、今回の改善に大きく喜ぶ一人。内陸部のカスカヴェルから州都へと出、パラナ連邦大学芸術学部で音楽を専攻している。「大学卒業後も大学院に進んで研究を続けたい」と、将来の希望を胸にした。(長村裕佳子クリチーバ通信員)