ニッケイ新聞 2012年11月29日付け
きょう29日より連邦最高裁(STF)判事に加わるテオリ・ザバスキ氏(64)が、27日に行われた記者会見で抱負を語った。28日付伯字紙が報じた。
9月に定年退職したセーザル・ペルーゾ判事の後任として就任するテオリ氏は、記者会見で、現在公判中のメンサロン事件では、被告の刑期を決める裁判には参加しないが、刑期を言い渡された被告が上告した場合の審理には参加することになるだろうと語った。
また、メンサロン事件の報道にも代表されるように、近年、最高裁での審理がテレビや紙媒体で即座に報道される傾向について「良い側面とそうでない面があるが、よくない点があるとするならば、外部にさらされることで、法廷内から厳粛な空気が損なわれていることだ」と語った。
さらに、裁判所の判決が一般大衆の望むものと一致すべきかとの問いには「大衆の望むものに沿うことは大事だが、それに応えて被告に無闇に刑を科すようなことはあるべきではない」とした。
また、メンサロン裁判のように現職議員が有罪判決を受けた場合、議員籍を剥奪するか否かの議論については、「選挙裁判所で担当した件では、議員籍の剥奪は議会が決めることという判断を下した」と答えた。
テオリ氏はルーラ政権時代から最高裁判事の候補に名前が挙がっていたが、労働者党(PT)に不利な判決を下したこともあってルーラ氏が難色を示し、今年4月にルーラ氏が「メンサロン裁判の延期を迫った」と噂されたジウマル・メンデス判事との会合で、メンデス氏がテオリ氏を推薦した際も嫌がったと言われている。
最高裁では11月にアイレス・ブリット前長官も定年を迎えたため、判事をさらにもうひとり選出しなければならない。