ニッケイ新聞 2012年11月30日付け
在外投票に関して、15人以上に質問を投げかけたが、明確な意見をもっていたのはこの3人のみだった。ちょうど20年前に、弊社の前身である日伯毎日新聞のキャンペーンなどが功奏して2000年から可能になった在外投票。移民の高齢化と、それに伴う定住意識のブラジルへの馴化が進んだ事から、かつてほどの盛り上がりはみられないようだ。減少している移住者に対し、むしろ増加している駐在員層の積極的な参加があれば、投票者増加が見込めるかもしれない。
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当地の知的財産権に対する意識の低さは、溢れる海賊版に見られる通り。もず唱平さんに押され、北川朗久NAK名誉会長も「生徒に順次著作権の正しさを訴えている」と言うが、「使用料を払えなんて言ったら殺される」と苦笑い。もはや文化の一部とすらいえる海賊版を撲滅し、国民の意識を高めるのはまさに国家事業。呆れるほど息の長い取り組みになりそう。
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今月発刊された『ぶらじる日系随筆選集 第一巻』。これまでの『コロニア随筆選集』からタイトルが変わった理由を中田みちよさんに聞くと、これまでの『コロニア〜』は第3巻までハードカバーで作られていたものの、今回は資金不足でソフトカバーとなりデザインも若干変更になったために、そのついでにタイトルも変えることにしたのだとか。「寄稿者の方にソフトカバーになりますけど…と聞いたら、それは構わない、本になればそれでということだったので」と中田さん。心機一転、発刊され続けてほしいもの。