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PSDB=大統領候補はアエシオ氏?=14年選挙に2年先駆け=PTのほころびにつけこむ=カンポス氏は経済政策批判

ニッケイ新聞 2012年12月5日付け

 民主社会党(PSDB)は3日、記者会見を開き、アエシオ・ネーヴェス上院議員(52)が2014年の大統領選候補にふさわしいと発表した。また、同じく14年の立候補が噂されているブラジル社会党(PSB)党首のエドゥアルド・カンポス・ペルナンブーコ州知事がジウマ政権の経済政策を批判した。4日付伯字紙が報じている。

 PSDBの記者会見は同党定例の新市長会議の前に行なわれ、フェルナンド・エンリッケ・カルドーゾ元大統領やセルジオ・ゲーラPSDB党首とアエシオ上議が同席する形で行なわれた。
 「今のPSDBの顔はアエシオだ。私の見解では、今すぐに全国を駆け巡り始めるため、大統領候補としてではなく、党リーダーとしての責任を負うべきだ」とカルドーゾ元大統領は力強く言い切った。ゲーハ氏も「アエシオは間違いなくPSDB党首となる。党員の99%もそのつもりだ。彼こそがわが党が次の大統領候補とすべき人物だ」と続いた。
 14年大統領選に関してはアエシオ氏も「そのときが来たら」と語ってきたが、選挙法に抵触するため、現在はまだ大統領候補と明言することは出来ない。この日も「果たすべき責任は果たす」と応えたに止まった。アエシオ氏が大統領選に進むための第一歩は、13年5月のPSDB党首選と考えられている。
 カルドーゾ氏らの発言は、メンサロン事件の公判に続き、連邦警察のポルト・セグーロ作戦によりルーラ前大統領の周辺で大きなスキャンダルが発覚した上、12年第3四半期の国内総生産(GDP)の伸びが0・6%と低調で、ジウマ政権2年目の経済成長率が2%を切ることが明らかになった直後。労働者党(PT)政権を攻撃するには絶好のタイミングだった。カルドーゾ氏は経済問題にも触れ、「ブラジルを近代化し、世界的な経済国家としてまとめあげたのは私たちだ」と改めて主張した。
 PSDB内では、ジョゼ・セーラ氏がサンパウロ市市長選で敗れ、ジェラルド・アウキミンサンパウロ州知事も14年は知事再選を目指していることがアエシオ氏擁立につながっているが、セーラ陣営は、「まだ話し合いの余地がある」と反論している。
 一方、アエシオ氏と並んで次期大統領選での行方が注目されるカンポス氏は、経済紙「ヴァロール」主催のセミナーでの演説でブラジル経済の伸び悩みに触れ、「ただ闇雲に消費をだけではダメだ」とジウマ政権の経済政策を批判。さらに国の政策の脱中央集権化を訴えた。PSBはPTの連立与党の一つだ。
 ポルト・セグーロ作戦で渦中のルーラ前大統領については、「国の歴史に多大な影響を与えて来た人物で、カルドーゾ元大統領に対するのと同様の敬意を払うべき」としたが、それと同時に「職権を悪用したり乱用したりする人物には厳罰が必要」との見解を示した。