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デング熱流行を防ごう=瓶やタイヤの溜まり水は=1239市中77市は危険

ニッケイ新聞 2012年12月5日付け

 暑さが増して蚊の発生も増える時期となり、デング熱の流行を防ぐための働きかけが様々な形で行われている。11月27日の保健省発表によると、デング熱ウイルスを媒介するネッタイシマカの幼虫(ボウフラ)の発生状況を調べた23州1239市中、要警戒は375市、流行の危険性ありは77市だった。
 デング熱流行の危険度は、調査した場所の何%でボウフラが確認されたかで判断されるが、パラナ州のフォス・ド・イグアスのように3・9%の場所でボウフラが発生していた場合は流行の危険性が高く、1%以上だと要警戒とされる。
 ボウフラはきれいな溜まり水で発生するため、野外にあるタイヤや空き瓶などに雨水が溜まった時や、カイシャ・ダ・アグア、植木鉢の下の受け皿なども要注意だ。
 調査員は、各家庭や空き地、ゴミ捨て場はもちろん、空き家の庭や墓地の植え込みなども調べてボウフラの発生状態を調べ、住民の協力を依頼。植木鉢の受け皿に砂を入れる、空き瓶や空き缶は水が入らないようさかさまにする、古タイヤにカバー、カイシャ・ダ・アグアに蓋をするなどは予防策の第一歩だ。
 ボウフラ発生が多かったのはバイア州やペルナンブーコ州などで、バイア州では417市中401市でボウフラの発生を確認。イタブナ市では流行の可能性が高く、保健所が満杯になっていた他、サルバドールでも患者数が増えている。ペルナンブーコ州のボウフラ発生箇所は昨年より66・2%増えていた。
 一方、11月27日付アジェンシア・ブラジルによると、1〜11月に確認された重症のデング熱患者は3774人で、昨年同期の10507人より64%減った。
 減少が目立った州はアマゾナスの96%始め、アクレ94%、ロライマ94%、パラナ93%、サンパウロ州83%、エスピリトサント78%など。昨年は大流行だったリオ州の重症患者は76%減の891人で、昨年同期の3783人と比べた減少数は全国一だ。
 全国の死者数は247人で、昨年同期の481人より49%減。南大河州やアマパー、サンタカタリーナ、連邦直轄区での今年の死者は0だ。
 4日朝のTVニュースによれば、ボウフラの発生が多い場所は、南東伯が家庭内、北東伯はカイシャ・ダ・アグア他の水供給源、北伯と南伯はゴミ捨て場で、中西伯はこれら全てが問題という。
 デング熱は発熱や痛みなど、風邪に似た症状が出、再感染すると致死率の高いデング出血熱やデングショック症候群を起こし易い。ボウフラ発生を防ぎ、長袖着用などで予防する事が肝心だ。