ニッケイ新聞 2012年12月5日付け
2011年8月11日にリオ州ニテロイ市で起きた、パトリシア・アシオリ判事の殺害事件の裁判が4日に始まった。
自宅前で21発の凶弾を浴びて死亡したパトリシア判事は当時、不正に関与したとされる警官らの裁判を担当しており、当局も警官による犯行と見て捜査を行っていた。
同日付G1サイトなどによると、4日から始まった最初の裁判では11人が裁かれる事になっているが、捜査の決め手の一つとなったのは軍警伍長のセルジオ・コスタ・ジュニオル被告による自白だ。ジュニオル被告は、犯行の状況や事件に関与した人物などの情報を提供する事で刑の軽減を約束されたといい、いわゆる褒賞付きの供述に基づく裁判だ。
パトリシア判事は、サンゴンサロでの少年殺害の件で警官らに有罪判決を下した直後に複数の犯行者に追跡され、自宅前で殺された。ジュニオル被告は別の軍警と共に同判事が裁判所を出た直後から追跡したが、防犯カメラに映像が残るのを嫌い、帰宅途中で襲う事を避けたという。
犯行に加担した事を心から後悔していると言う同被告は、共犯の軍警から、パトリシア判事殺害を軍警中佐にも報告したと聞いたとも供述しており、今後の裁判の行方が注目されている。