ニッケイ新聞 2012年12月7日付け
6日付伯字紙が、サンパウロ州保安局長に就任して間もないフェルナンド・グレラ・ヴィエイラ氏への取材結果を掲載した。
11月22日付でアントニオ・フェレイラ・ピント氏の後任として保安局長となったグレラ氏は「サンパウロ州での殺人事件が激化する中、保安局長の職務を引き受けることに抵抗はなかったか」の問いに、「家族が心配したので決断に2〜3日要した」と告白した。同氏自身は強盗に襲われたことはないが、家族は襲われたことがあるという。
州都第一コマンド(PCC)に関しては前任者のピント氏やアウキミンサンパウロ州知事と異なる見解を示した。ピント氏が退任の挨拶で「PCC絡みの犯罪の多発は2006年にも起きていた」と語ったのに対し、グレラ氏は「私は非常事態に任務を引き受けた」とし、犯罪が多発するサンパウロ州の現状は普通のことではないと強調した。アウキミン知事が10月1日に「PCCという伝説の組織があった」と語っていたのに対しては、「PCCは伝説ではなく実際に存在するが、保安局が対処すべき組織はPCCだけではない」とした上で、「全てではないが、サンパウロ州の犯罪の大部分はPCCによるものだ」とした。
グレラ氏はPCCへの対策について、「巡回機動隊(ROTA)のようなエリート部隊をいきなり発動させることはない」とし、ここでもピント氏と異なる見解を見せた。また、「サンパウロ州で起きている犯罪の大半は、軍警や市警が行なって来たことへの復讐だ」との見方を示している。
グレラ氏がとった治安対策のひとつは、軍警と市警とが情報を共有し、協力して捜査を行なうための統合情報センター設置で、同センターは4日から始動している。昨年10月から今年9月までの警官による死者が447人にのぼるのは、犯罪摘発なども増えた結果との見方を示した。5日でサンパウロ州内での軍警の死者は100人に到達した。