ホーム | ブラジル国内ニュース(アーカイブ) | あのビートルズが録音?=生誕100周年のゴンザーガ

あのビートルズが録音?=生誕100周年のゴンザーガ

ニッケイ新聞 2012年12月11日付け

 〃バイオンの王〃ルイス・ゴンザーガが13日で生誕100周年を迎えるが、「彼の代表曲はビートルズも録音した」という噂もあると、8日付エスタード紙が報じている。
 1968年8月に浮上したのは、ゴンザーガが1947年に発表した「アーザ・ブランカ(白い翼)」を、当時世界的な人気だった英国のバンド、ビートルズが同年11月に発表する作品用に録音したという噂だ。
 これは当時のブラジルでも信じられ、同年8月21日付エスタード紙は「ビートルズが友人に宛てた手紙で明らかとなった」と報道した。同年9月29日付同紙は「ビートルズの側近が明らかにした」という形で再びこの噂を報道した上、「ブラジルのギター奏者バーデン・パウエルがブラジルの民族楽器であるビリンバウの弾き方をビートルズに教えた」「ポール・マッカートニーが書いたサンバも次の作品には入る予定だ」とも報じた。
 一方、ゴンザーガは、「ヴェージャ」紙の取材に、「ビートルズは心ある音楽をやっている。彼らの音楽は北東伯の音楽に通じるものがある」と語っている。
 だが、同年11月に発売された「ホワイト・アルバム」には、「アーザ・ブランカ」もポールのサンバも収録されていなかった。やがてこの噂は、ロベルト・カルロスを売り出したことでも知られる当時の人気テレビ司会者カルロス・インペリアルによる嘘だということが判明した。
 この嘘は、世界的なボサノバ・ブームから間がなかったこと、ビートルズがインド音楽などに興味を広げていたことなどで容易に広がった。「ホワイト・アルバム」にはジャマイカ音楽に影響された楽曲が入っていた。
 8日付エスタード紙は「この噂で、忘れられていたゴンザーガの存在が再び注目された」と論じている。