ニッケイ新聞 2012年12月12日付け
サンパウロ州ミランドーポリスの第二アリアンサ鳥取村で、かつて移民収容所があった場所に「村の開拓者子孫公園」という名の公園を造る計画が進められている。
収容所には、初代現地理事として赴任した橋浦昌雄氏のもと、原始林の中に入植した移住者が自分の家ができるまで住んでいた。その開拓者の軌跡の始まりともいえる地点を、開拓者子孫公園と名づけて残していきたい考えだ。
これまではブラジル人が住んでいたが、退去することになり自治会長の佐藤勲さんが土地を買い取った。今後は有志を募り、敷地の50平米以上の単位で買い取りを呼びかけるという。
佐藤さんは、「言い伝えや書き残しだけでは、いつかは消えると思う。村を作った人の気持ち、村の発展に尽力した先人の気持ち、努力して作った村を残し、その思いを子孫につなげたい」と目的を語る。
収容所があったそばには、組合の従業員が住んでいた古い家が現存しているため、その家を修復して記念館にする計画もあるという。