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南米杯=サンパウロFCが優勝=混乱で後半中止の波乱の末

ニッケイ新聞 2012年12月14日付け

 サッカー南米杯決勝第2戦がサンパウロ市南部のモルンビー・スタジアムで12日に行なわれ、サンパウロFCが、会場の混乱で後半中止という異例の事態の中、アルゼンチンのティグレを下し、同杯初優勝を飾った。
 5日にアルゼンチンで行なわれた決勝第1戦を0—0で引き分けたサンパウロは、本拠地での初優勝に全力を注いだ。
 試合は序盤からサンパウロ・ペース。前半22分、ゴール前でシュートを撃つと見せかけたジャジソンのバックパスを受けた若きエース、ルーカスがシュートを決めて先制。28分には、ルーカスが右前に大きく出したパスにオズワルドが追いつき2点目を決めた。
 これで試合はサンパウロ優勢となったが、この後、ティグレのディフェンダー、オルバンと競り合っていたルーカスが、肘打ちを受け、大量の鼻血を出して倒れるというハプニングが起きた。このプレーをめぐり前半終了後、両軍が入り乱れてもみあいとなった。両軍は控え室に下がったが、後半開始時間を過ぎてもティグレ側が戻って来ない。ティグレ側は30分を過ぎた頃、「更衣室で警備員に乱暴された。これでは安心してプレーできない」と申し出て試合を放棄。この結果、サンパウロ優勝が決まった。
 「警備員に乱暴を受けて試合中止」という前代未聞の事態で終わった試合については、13日付フォーリャ紙は、ハーフタイムにサンパウロ側の更衣室に乱入しようとしたティグレの選手を警備員が止めに入り、騒ぎが拡大と報じている。
 後味の悪い結末だが、これでサンパウロFCは08年全国選手権以来の優勝を飾った。表彰式では主将のロジェリオ・セニが、この試合を最後にフランスのパリ・サンジェルマンに移籍するルーカスを呼び、キャプテン章をまいてから優勝杯を持たせた。ルーカスはセニと共に優勝杯を掲げ、観客の大声援に応えた。