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県連東北ツアー=被災者招聘事業、進展なし…=「県からの連絡ない」

ニッケイ新聞 2012年12月15日付け

 ブラジル日本都道府県人会連合会(園田昭憲会長)主催で10月中旬〜11月初旬にかけて行われた『東北被災地応援ツアー』(本橋幹久団長)の帰国報告会が12日、文協ビル会議室でツアー参加者5人に関係者を加えた約10人が出席する中行われた。
 本橋団長から、訪問した被災地の写真や10月末にあった海外日系人大会の様子などが報告されたものの、〃目玉企画〃と目され、被災3県庁に呼びかけが行われた『東北被災者招聘交流事業』(11月27日付本紙で既報)のに関しては「県側からの具体的な連絡はまだない」と全く進んでいない状況のようだ。今後は3県人会を通して県庁と連絡をとっていくという。
 招聘の時期は、震災が起こった3月11日を中心としたものと、7月19日から3日間かけて行われる日本祭りを軸にした日程の二通りが候補として挙がっており、被災青年らには、震災後の2年間に何を考え、今後にどんな展望をもっているかなどの体験発表を行ってもらう予定。来伯に合わせる形で、復興写真展の開催も視野に入れる。
 報告プレゼンの後、ツアー参加者らからは被災地訪問の感想が発表された。「妹の住む家は全壊し、生家も半壊するほどの被害を受けた」という後藤信子さん(70、宮城)は「私の故郷含め、被災地は2年たった今でも想像以上に厳しい状況だと感じさせられた。それでも必死に頑張って前向きに生きている被災者の方々を見て、少し安堵の気持ちも沸きました」と声を詰まらせていた。