ニッケイ新聞 2012年12月18日付け
ベネズエラで16日、全国知事選が行なわれ、チャベス大統領支持派が圧勝したが、10月の大統領選では敗れたエンリケ・カプリレス・ミランダ州知事はエリアス・ハウア前副大統領に勝ち、野党リーダーとしての力を示した。17日付伯字紙が報じている。
今回の選挙前、与党の統一社会党など、チャベス支持派の候補が知事の州は16だったが、今回の選挙でその数を19州に増やした。今回、野党側が知事職を失った州の中には、同国の石油産業の中心地であるズーリア州も含まれている。
今回、与党側が地滑り的圧勝に終わった背景には、チャベス陣営が大統領が癌を患っていることを選挙戦略として使い、同情票を獲得したためだと言われている。同大統領から後任として指名を受けているニコラス・マドゥーロ副大統領は「大統領の病状がこれ以上悪くならないためにも」と国営テレビを通じて繰り返し訴えた。野党側はこれを選挙法違反であるとして訴えている。
だが、今回選挙の最大の焦点だった同国第2の最大州ミランダ州では、10月の大統領選でチャベス氏就任以降の大統領戦で最高得票を記録していたカプリレス氏が再選した。与党側はカプリレス潰しを狙って、エリアス・ハウア前副大統領を候補に送ったが、50・35%対46・13%と僅差ではあったがカプリレス氏が振り切った。
この勝利で、カプリレス氏は次期大統領選においても野党側の大統領候補の最有力人物となるとの見方が強まった。同国の大統領の任期は6年だが、チャベス氏が大統領としての任務を2年以上残して(16年までに)任務遂行不可との判断になった場合は、大統領選挙が行なわれる。
なお、大統領選挙では80%だった投票率は今回は55%と低調だった。