ニッケイ新聞 2012年12月19日付け
メンサロン裁判で有罪となった議員はどの時点で議員を罷免されるかという問題で、連邦最高裁判所が17日、「有罪判決と共に罷免とすべき」との結論に達した。議会側はこの決定を不満としており、変更を求める構えだ。18日付伯字紙が報じている。
17日の最高裁では、メンサロン事件で有罪となり、禁固刑を言い渡された連邦議員の罷免をめぐる投票が行われ、5対4で「罷免」の判決を下した。
議員罷免に関する審理は11日の時点で4対4となり、セウソ・デ・メロ判事の票によって結論が出るはずだった。同判事は風邪で入院して投票できなかったが、17日に「刑期4年以上の実刑判決を受けた議員はその時点で罷免すべきで、議会は罷免を宣言するのみ」との判断を示し、判決が決まった。メロ判事は1995年に同じ問題で、「有罪議員の罷免は議会が決める」との判断を下していたが、それを覆す形となった。
メロ判事同様に「罷免」との判断を示したのはジョアキン・バルボーザ長官、ルイス・フックス判事、マルコ・アウレリオ・メロ判事、ジルマル・メンデス判事。一方、「罷免は議会が決める」に票を投じたのはリカルド・レヴァンドウスキー副長官、アントニオ・ディアス・トフォリ判事、カルメン・ルシア判事、ローザ・ウェバー判事で、「メンサロン事件は労働者党(PT)が連邦政府の支持を取り付けるために議会で仕組んだ計画である」という議題に対する投票結果と同じ票の割れ方をした。
罷免対称となるのは、現職のジョアン・パウロ・クーニャ下議(PT)、ペドロ・ヘンリー下議(進歩党・PP)、ヴァルデマル・コスタ・ネット下議(共和党・PR)と、1月に補欠繰上げで下議となるはずだったジョゼ・ジェノイノ氏(PT)だ。
対象議員の弁護士たちは、投票結果が接戦だったことを最大限利用する予定だ。メンサロン事件公判は17日で終わり、60日以内に判決内容が官報に掲載されるが、弁護側はその後、刑の見直しなどを要請することができる。再審理には、11月に就任したテオリ・ザヴァスキ判事と、11月に退任したアイレス・ブリット元長官の後任として選ばれる判事も加わることができるため、2人の判断で判決内容が変わることもあり得る。
一方、議会側は、17日の判決に猛反発している。マルコ・マイア下院議長(PT)は「これは最高裁による干渉だ」と怒りをあらわにし、「議員のことは議会で扱われるべき」とした。マイア議長の見解には多くの党が賛同し、司法機関は立法機関を侵害すべきではないとの見解を示し、最高裁に判決の見直しを求める意向だ。
だがメロ判事は17日の審理の席で、議会側の反発を予想したかのように「政治的に無責任なことをした人の正当化は司法的に受け入れ難い」と、厳しい口調で事前の反論を行なっている。