ニッケイ新聞 2012年12月20日付け
禁酒法の改定で、飲酒運転者への罰則がクリスマス前にさらに厳しくなる見込みだと19日付伯字紙が報じている。
18日に上院を通過した禁酒法改正案によると、飲酒運転の罰金は、従来の957・70レアルの倍の1915・40レアルになり、1年以内の再犯の場合は、その倍の3830・80レアルを科される。
また、従来は呼気中のアルコール濃度か血中アルコール濃度測定によってのみ可能だった飲酒運転の判定が、ビデオや第3者の証言、医師の診断などによっても可能となる。アルコール濃度検査を拒んだ時も、従来の免許証没収のみから、飲酒運転に該当する罰則が科されるようになる。血中アルコール成分が1リットルにつき0・6グラムを超えたら飲酒運転と見なす点は同じだが、酒や薬物の影響で精神面や運動能力に支障をきたしたと判断された時も処罰の対象となる。
また、アルコール以外の薬物の成分で事故を起こした場合、これまでは精神系の薬物のみが罰則の対象となっていたが、今後はあらゆる薬物が処罰の対象となる。
改定案はジウマ大統領の裁可待ちだが、大統領は法改正に同意済みで、クリスマス前に全国的に適用される見込みだ。
改定法案の報告役をつとめたエドゥアルド・ブラガ上院議員(民主運動党・PMDB)は、今回の法改定で、年末年始やカーニバルの時期の交通事故死が減り、より安全な国になるはずだという。2011年は全国の国道で19万2188件の事故が起きたうちの7551件が飲酒絡みの事故で、345人が死亡している。
サンパウロ州道の場合、クリスマスの時期に海岸に下る車の数は通常の3倍の55万8千台になり、大晦日から新年にかけては通常の約5倍の88万7千台に上ると見ている。