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来年9月に2空港を入札=W杯やリオ五輪を睨み=地方空港の活性化計画も=13年のGDPの行方は?

ニッケイ新聞 2012年12月22日付け

 ジウマ大統領は20日、今年最後の経済政策として、リオデジャネイロ州のガレオン空港とミナス・ジェライス州のコンフィンス空港の入札と、73億レアルをかけた新たな航空事業計画を発表した。21日付伯字紙が報じている。

 ジウマ政権は今年、工業界のコスト高問題解消を目的とした交通インフラ改善のため、高速道路と鉄道、港湾の事業計画を発表してきたが、その締めくくりが空港を巡る事業計画だった。ジウマ大統領は、今回の事業計画は14年のサッカー・ワールドカップや16年のリオ五輪で需要が増えることを見越したものだと語った。
 目玉となるのは、国内2位の便数を記録し、リオ五輪でさらに需要が増えると予想されるガレオンと、W杯開催地にあるコンフィンスの二つの大規模空港での入札だ。2空港の運営権委譲は、技術面での問題解消のため6カ月間検討を繰り返して決められたもので、民間航空局のヴァギネル・ビッテンコート氏によると、入札は13年9月を予定しているという。
 入札規定は厳しく、参加できる企業は年間3500万人以上の乗客を扱う空港での運営経験があるところとし、今年2月に行なわれたサンパウロ州のグアルーリョス空港など3空港の運営権を落札した企業は参加できない。
 落札企業の参加率は51%で、残り49%はブラジル空港インフラ業務公社(インフラエロ)の傘下に設立されるインフラエロ・セルヴィッソが担当する。連邦政府は、両空港への必要投資額はガレオン66億レアル、コンフィンス48億レアルと見込んでいる。
 一方、73億レアルの投資は全国253空港の増改築と17の新空港設置のために投じられる。投資が一番多いのは21億レアルの北東伯(64空港)で、以下、17億レの北伯(67空港)、16億レの南東伯(31空港)、9億9400万レの南伯(43空港)、9億2400万レの中西伯(31空港)と続く。
 投資の一部は地方の小空港での航空機運営への補助にも当てられる。これはTAM社とGol社の2社独占となっている現状を改善し、中小の航空会社にチャンスを与えるためで、遠隔地の空港間を飛ぶ便には、座席数の半分までの助成金の支給も約束している。
 この事業計画は、航空関係者たちからは概ね好評だ。航空企業協会のエドゥアルド・サノヴィクス会長は「内陸部への投資は航空事業の発展には不可欠だ。270中30空港は将来の中規模空港になるはず」と語った。他にも「航空事業の地方分散で、特定空港の混雑が解消される」という意見も出ている。だが、TAM社やGol社は良い反応を示さなかった。
 ジウマ大統領は事業計画発表の席で「これまで発表した事業が経済活性化にまだ貢献してない」との声に反論。減税やコスト削減で「13年度の経済は成長する」と語った。中銀は13年の国内総生産(GDP)の伸びは3・4%と見ている。