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休暇直前に予算案審議=政府圧力で議長らが奔走=ロイヤリティ問題は来年に

ニッケイ新聞 2012年12月22日付け

 19日に予定されていた石油開発に関するロイヤリティ分割問題の審議が17日のルイス・フックス最高裁判事による暫定令で停止されたため、19日に予算案は休暇明けの2月以降に審議すると宣言していた連邦議会が、予算案の年内承認に向けて動いていると21日付伯字紙が報じた。
 21日までには承認の手はずだった13年度の予算案審議が止まったのは、ジウマ大統領がロイヤリティの分配率を変更する法案に大幅な修正を加えた事についての審議を最優先する動きが、石油生産州などからの訴えを担当するフックス判事による暫定令で差し止められた事に、上下両院議長やリーダー達が反発したのが原因だ。
 これに対し、予算案が承認されなければ年頭からの投資開始が不可能となるから、何としても年内承認をと圧力をかけたのが政府で、国家総弁護庁のルイス・イナシオ・アダムス長官がフックス判事に暫定令の趣旨を内密に確認しに行くなどの根回しも行われた。
 政府からの圧力を受けた議会では、上院9人、下院19人からなる代表委員会を26日に開催して承認という方法も検討されたが、予算案の審議が一部の議員によって行われるのは前例に反しており、好ましくないとの判断で、20日朝から本会議開催に向けて慌しい動きが始まった。
 一方、フックス判事も同日午後、ロイヤリティ問題の優先審議は他の3千件の大統領修正案に関する審議を無視したもので、他の修正案の審議後に同問題を審議すべきとの17日付暫定令は、予算案のように裁判所での司法判断を求められていない法案の審議を妨げるものではないと文書で回答。ただし、20日の議会は定足数の不足で流会となった。
 残された方法はサルネイ上院議長が21日か24日に議会召集というものだが、議長自身、定足数を満たす事ができるか否かを疑問視しており、微妙な状況といえる。
 なお、両院合同の審議委員会が20日に承認した13年度予算では来年度の最低賃金を674・96レアルに想定している。政府原案は670・95レアルだった最賃額は、予算案作成時よりインフレが進んだために上方修正された。両院の予算審議委員会が承認した予算案の総額は2兆2760億レアルで、1106億レアルが連邦公社関連、1兆5558億レアルが一般予算や社会保障費などとなっている。