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日系団体の役割を思う=汎ソロ日伯連合文化協会会長 纐纈俊夫

ニッケイ新聞 2013年1月1日付け

 汎ソロカバナ連合文化協会管内に於いての2012年度の行事としては、傘下各文化協会共予定通り無事に行なわれましたが、例年に比べると幾らか参加者も増えた様な感じも致します。
 これは勿論各団体の交流の深さを物語っているもので有り、これからも益々交流の輪を広め、お互いに協力し合って行く事こそが文協の存在価値を高め、今後の日本文化伝承と普及につながる大事な事だと思います。
 当連合会では昨年から部門内に、将来への若手人材を養成する事を目的に青年部を設けました。若手リーダーを選びコミッソンを構成し、全文協会長に呼び掛け、会員及び青年達を集め説明会を開き、意見の交換、アンケート等を作製して今後の方針を決める為の調査を行なっております。
 これからの文協のあり方、伝統文化の進め方、いかに将来に於いて若者達の参加が必要で有り、重要で有るかを知って貰う事が狙いで有ります。他の日系団体、日系大学生、大学教授等を含め、目下その研究が進められております。最終的にそれらをまとめた結論を総会にて発表し、さらにはそれを実行に移す事が目的で有ります。
 2013年6月にはブラジル日本移民がサントス港に到着以来105周年を迎える事に成ります。年々と日本語の解る人達が少なく成る一方、非日系人との結婚も著しく増えて来ております。
 こうした条件の基に文化作業を行なう事は、並み大抵では無い事は誰氏もが周知の事であります。現在、150万人に達する日系人はブラジル社会に完全に統合し、ブラジル文明の形成に貢献して居ることは現実で、誠に嬉しくあり難いです。
 商工業、学術界、文化文芸、技術開発及び政治とあらゆる分野に於きましても目覚しく活躍しております。こうした若者達が将来の日系団体を担う先兵として、勇気、献身、忍耐など、先祖より受け継いだ尊い伝統をもって活躍して欲しい。そのために必要な、日系人としての特性を後世に伝えやすい環境を整えることが、我々の重要な役目ではないかと思います。我々はそのための努力と研究に時間を惜しんではならない。大変な作業ではあるが、文化協会に携わる我々の任務だと肝に銘じております。
 言語生活環境の全く異なるブラジルという大地において、堅い意志と努力によって全ての困難を克服し、現在の住みやすい国造りに貢献してくれた開拓当時の移民の苦労を偲びたいと思います。時代も変わり、人も変わり行く未来の日系ブラジル人の社会に向けて、日本文化の伝承と普及の新たな進め方を皆さんと共に研究し合い、発見して次の世代への準備をして行かなければならないと存じます。
 終わりに臨みまして、益々皆さんのご健康とご繁栄を祈念致しましてご挨拶と致します。