ニッケイ新聞 2013年1月3日付け
東洋人街新年恒例の『第42回もちつき祭り』が昨年大晦日、サンパウロ市のリベルダーデ駅前広場で行われた。日系諸団体代表や在聖日本国総領事館の福嶌教輝総領事のほか、サンパウロ市長として任期最終日を迎えたジウベルト・カサビ氏も訪れて餅つきに参加した。紅白もちと雑煮が振舞われた会場には長蛇の列ができ、それぞれが年越しを祝いながら舌鼓を打った。主催者によれば4万人以上が訪れた。
有志の個人や日系団体から寄付されたもち米は40俵(2400キロ)で、2万袋の紅白もちと3千食の雑煮が用意された。午前9時からの配布が予定されていた会場には、6時ごろから並ぶ人がでるなど長蛇の列ができ、雑煮のバンカ前の列は100メートル以上に。
南米神宮の逢坂和男宮司によって設けられた「茅の輪くぐり」も大きな人気を博し、それぞれが大きな茅の輪をくぐって厄病を払い、神棚に祈りを捧げていた。
夫婦で訪れた栗山安敬さん(78、東京)は「二、三世以降の世代や非日系にも日本文化が浸透してきているのは嬉しいね。雑煮もまさに日本の味で格別美味しい」と笑顔を見せた。
午前10時頃からは、海藤三味太鼓の海藤洋平さんと、昨年の全伯太鼓選手権で優勝したサンミゲル・パウリスタ天竜和太鼓によるパフォーマンスが行われた。迫力のソロ演奏で会場を沸かせた海藤さんは「その場の雰囲気に合わせた即興。気持ちを込めて叩きました」と汗をぬぐった。
特設ステージ上で行われた開会式には、日系3団体の代表やカサビ市長、福嶌総領事らが出席。揃いの赤い法被を着て「ヨイショー!」の掛け声で力強く餅をついた。
挨拶に立った福嶌総領事は、主催団体のリベルダーデ文化福祉協会(ACAL)に敬意を表するとともに「今日用意された餅が、皆さんにたくさんの幸運と健康をもたらしてくれることを願います」と話した。
その後来賓一行らはACAL会館に移動し、唱歌「一月一日」「ブラジル移民送別の歌」「蛍の光」を合唱するとともに、つきたてのもちを使った雑煮を食べながら年越しを祝った。
ACALの池崎博文会長は「心配された天気も問題なく、最高の祭りになった。これで、新年も前向きな姿勢で進んでいける」と笑顔で話した。