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ダム貯水量の改善進まず=悪夢のアパゴン再び?=政府が管理体制強化要請=料金値下げは実現可能か

ニッケイ新聞 2013年1月5日付け

 1、2月の降水予想が思わしくなく、水力発電所のダム貯水量の回復が危ぶまれている。電力使用が増える中、火力発電所の発電量不足なども続き、北東伯のダム貯水量は危険レベルを割り込むなど、2001年の節電対策導入前に近い状況が続いている。

 4日付エスタード紙によると、貯水量低下が深刻なのは北東伯と南東/中西伯で、2日現在、北東伯では最低限必要とされる34%以下の31・9%、南東/中西伯も電力供給が危うくなる28%に程近い28・9%だが、これらの地域の1〜2月の雨は貯水量の回復に繋がりにくい局地集中型と見られている。
 南東/中西伯の28・9%という数字は、01年の節電対策導入を余儀なくさせた2000年の28・52%に近いレベルで、貯水量低下を防ぐために火力発電所を稼動させ始めた10月以降も改善が進んでいない。
 現在のブラジルでは、南東/中西伯と北東伯の3地域で全国の電力の90%を使用。ダム貯水量の低下を防ぐための火力発電所稼動分を含めても足りない分は、南伯と北伯から送電して補っている。
 ところが、火力発電所も、燃料の重油や天然ガス、石炭の供給や輸送その他の問題で、割り当てられた発電量を確保できない所があり、全国電力システム運営機構(ONS)が割り当て枠から外す、送電施設の不備などの問題がある。
 さらに頭が痛いのが、一つの発電所や変電所で起きた問題が他の変電所や地域にまで影響しないようにするための安全装置が機能しない、発電所や変電所の施設や職員にいざという時に対応できるだけの備えがないなどの問題だ。12月24日付エスタード紙には、2011年2月4日に起きたイタイプ発電所からの電力供給停止による広域停電(アパゴン)時、停電のために扉が開かず、取手を壊したとか、職員が手順書を探して対応したといった報告が掲載されている。
 12月28日付エスタード紙によれば、ジウマ大統領は、現在のブラジルは01年のような節電対策を採る必要はないと断言する一方、ここ数カ月間に起きた広域停電(アパゴン)は落雷などが原因の天災というより人災だと明言。今月3日付同紙には、主要変電所には24時間体制で係員を置くなどの管理体制の強化を要請する意向である事も記載されている。
 七つの発電所からの電力を操作する必要のある変電所もあるのに、安全装置は統一規格のものが使われていないといった問題や、発電から送電、配電にいたる諸設備の保守管理などの問題も未解決の中、主力である水力発電の利用を抑制しなければならないとなれば、発電経費の上昇は必至。イタイプからの収益を投入して大統領が提言した20%の電力料金値下げ実施という案も出ているが、火力発電増に伴う燃料経費増額分を埋めた上での値下げが可能か否かが気にかかる現状だ。

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