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欠勤した当直医を起訴=イヴに被弾の少女の死で

ニッケイ新聞 2013年1月10日付け

 リオ市北部で12月24日夜、頭部に流れ弾を受けた10歳少女の手術が8時間遅れ、12月30日脳死、1月4日死亡という事件があり、欠勤した当直医が8日に起訴されたと8日付ブラジルメディアが報じた。
 クリスマスプレゼントに人形をもらい、大喜びで両親に見せようとしたアドリエリイ・ドス・サントス・ヴィエイラちゃんは、路上で流れ弾を受けて倒れ、25日0時20分頃病院に着いた。
 両親が流れ弾に当たっていた事を知らされ、手術が始まったのは日勤の脳神経外科医が来た8時過ぎ。同科の当直医は欠勤、他の病院に転送する救急車もなく、8時間待たされて手術との報道に検察が乗り出した。
 手術をした医師は事故直後に手術しても助からなかっただろうと供述しているが、おさまらないのは遺族達。欠勤した当直医は8日、少女や両親に同情するが、欠勤は3日前に伝えてあり、少女の死は自分のせいではないと弁明。プレゼントをもらった子供が家の前で喜ぶ事さえできない治安状況も批判した。
 同医師は自分が非難の的になっている事や病院の勤務形態などへの苦言も呈したが、上司は欠勤するとの連絡は受けたが他に人がいないから出勤を命じたと述べており、8日になって当直医が起訴された。人員不足を不満としながら欠勤を正当化する医師の倫理観が、改めて問われる事件だ。