ニッケイ新聞 2013年1月10日付け
陶芸一筋36年。泉修悟さん(63、佐賀)のアチバイア市のアトリエには、食器から壷、置物、盆栽鉢まで多彩な技法を凝らした個性溢れる作品が並ぶ。
1975年に農業移民として渡伯したが、間もなく体を壊して農業を断念。療養のため訪れた焼き物の里クーニャで、知り合いの陶芸家・請関敏之さんの下で3カ月間陶芸を学び、アチバイアの知り合いの下で3年間働いた後、独立した。
原材料のみ購入し、絵の具、釉薬は全て手製。「才能はないけど努力はした。本と首っ引きで色々な技法を覚えた」という泉さんのアトリエに訪れた日本の陶芸家は、「これだけの技法を習得したなんて」と驚くという。
素人目にも熟練振りと高度なセンスがうかがえる陶器ばかりだが、「食べて行けるから宣伝はしなかった」とアトリエでのみ販売する。
目玉商品は「製法は企業秘密」というとっくり。安物のピンガやウォッカを入れると半時間で味がまろやかになり、半年置けば〃高級酒〃になる。
さらに、ブラジルで作っているのは泉さんだけという、冷蔵庫やトイレに置いておけば臭い取りになる卵型陶器「奇跡の卵」や、日々の試行錯誤から生まれる唯一無二の盆栽鉢も人気とか。
アトリエの電話=11・4416・1113、住所=Rua Jose Pires de Oliveira, 426, Tanque、サイト=www.ceramicasizumi.com.br