ブラジル国内ニュース(アーカイブ)

連邦政府=電力供給と値下げを保証=火力使用で経費増加も=ペトロブラスにもしわ寄せ=来年の値上げは不可避?

ニッケイ新聞 2013年1月11日付け

 長引く干ばつと猛暑で水力発電所ダムの水位低下が続き、電力危機の懸念が広がる中、連邦政府が9日、ブラジルの電力事情は改善しており、01年のような節電命令を出す事はなく、電力料金値下げも予定通り行うと発表したと10日付伯字紙が報じた。

 北東伯からミナス州では干ばつによる農業生産への影響が長期化しているが、干ばつの影響は10月からの火力発電所稼動開始やそれに伴う液化天然ガスの輸入増など、様々な面に及んでいる。
 例年になく厳しい干ばつとの報道は12年中も繰り返されたが、昨年末から続いているのは、水力発電所ダムの水位低下の報道。北東伯や中西/南東伯のダムの平均水位は、節電命令を出す目安となる危険水位の27・8%と26・2%に迫る、30・2%と28・3%。現時点では危険水位に達してないが、現在の数値は最近改定されたもので、従来の基準通りなら、節電命令が出ていても良いところだ。
 昨年10月半ばから火力発電が続く中での水位低下は、電力危機がまたという不安を掻き立てるが、政府側は、現在のブラジルは火力発電の割合が30%程度まで増え、水力発電所の発電量低下を補うだけの能力があると明言し、国民の不安を取り除きたいところだ。
 民主社会党(PSDB)政権時代に起きた電力危機を批判し続けているのが労働者党(PT)政権で、ルーラ政権で鉱山動力相も務めたジウマ大統領には、電力危機はありえないと納得させる事は至上命令。節電命令が必要か否かを判断する会議の直後に、電力危機はないと発表したのも、国民の不安を取り除き、電力会社の株価下落といった市場の動きを止める目的があった。
 一方、火力発電の開始で発電コストが上昇しているのは事実で、9日付フォーリャ紙は火力発電の経費は10億レアルを超えた、10日付伯字紙は、発電用の天然ガス供給のため、ペトロブラスが1日1千万ドル(2万4千レアル)を費やしているなどと報じている。
 これらの経費は電力料金に転嫁されるため、ジウマ大統領が9月に発表した2月からの電力料金値下げを危ぶむ声も出ていたが、エジソン・ロボン鉱動相らは値下げ幅が20%を割り込む事はないと保証した。
 ただ、貯水ダムの水位が回復するまでは電力不足への懸念は消えないため、新しい火力発電所完成などで一息ついた後の4月までは火力発電を継続。一部の火力発電所は一年を通じて稼動させる可能性も残っている。
 ブラジルでは、発電所や変電所、送電設備の増設が軒並み遅れ、発電所が出来ても送電できない例さえあるのが実情だが、それでも状況が改善され、01年当時は10%程度だった火力発電が、現在は30%程度まで賄えるようになっている。送電設備も改善が進み、送電線泥の話も減るなどで、多少の余裕が出てきたものの、火力発電の多用で来年の電力料金は3%程度の値上げ必至といった報道も流れ始めている。

こちらの記事もどうぞ

Back to top button