ニッケイ新聞 2013年1月15日付け
サンパウロ市極東部で12日未明、路上に放置された旅行カバンの中から女性のバラバラ死体が発見され、警察が調査を進めている。13日付伯字紙が報じている。
死体入りの旅行カバンはイタイン・パウリスタで見つかった。発見時、カバンは半開きで頭が外に飛び出ていたという。警察への通報は午前3時だったが、通りには多くの住民が集まっていた。
軍警が調べたところ、死体はまだ硬化しておらず、死亡してまだ数時間しかたっていなかったという。肌は薄褐色で髪を赤く染めていたという。推定年齢は25歳だが、カバンの中からは身分証明書らしきものは見つからなかった。
カバンにはグアルーリョス空港からドバイまで旅行した時のシールが残り、エリアーネ・シルヴァ・デ・ソウザという名前が書かれていた。軍警は当初それが被害者の名前だと見ていたが、後にイタインの第50警察署に、死体の女性の姉妹だと名乗る女性から、その死体がセニーラ・レイテ・デ・オリヴェイラさんのものであるという通報が入った。女性は法医学研究所(IML)に来るよう求められたが、姿を現さなかった。
近隣住民の証言によると、女性はクラック常用の路上生活者だという。この女性は事件の前、やはりクラック常用者で〃マグレロ〃と呼ばれる恋人といるところを目撃されており、警察はその男性を重要参考人として探している。今回の殺人の動機などについては何も明らかになっていないが、「麻薬の取り合いになってもめたのでは」という推測が流れている。
12日未明には大サンパウロ市圏のグアルーリョス市クンビッカで今年2件目の大量殺人事件が発生し、大人2人と10代少年1人の計3人が殺された。