ニッケイ新聞 2013年1月15日付け
パラナ州都クリチーバ市で、2009年から着工が進んでいた『日本移民百周年記念公園』(Parque do centenario da imigracao japonesa)の落成式が昨年12月27日に同公園で行われた。日系団体代表者らを中心に約250人が出席し記念プレートの除幕を行った。公園の敷地面積52万平米、総工予算1500万レアルと百年祭事業全体でも最大級規模。市役所と連邦政府が計400万レを出資し、約3分の1が完成した。事業の発案者であるクリチーバ日伯文化援護協会の元会長で、市議の山脇ジョルジ氏は「今後、中心施設以外にどんなものを置くか、コロニアで案を練って市に提案していきたい」と語った。
政権交代等で連邦政府の援助が一旦中断したため工事が遅れたものの、イベント会場や駐車場、トイレなど主な設備は整っており、公園として使える段階になったことから、落成式の実施が決まった。場所はウベラーバ区イグアス環境保護地内にある。
山脇氏は「市が日系人の功績を認め、これだけのことをやってくれた。本当に感謝している」と喜びを語りつつ、「工事を完成させるにはまだ予算確保や、新市長への事業継続の依頼などが必要」と話す。
式は、ハヤカワ・ルイスさん設計による公園の中心施設であるイベント会場で行われた。同会場は、沼地を埋め立ててブラジルをかたどった陸地に建てられており(現在日本の部分を制作中)、将来的には環境関連のイベントや日本企業を招いた講演、また同文協の移民祭りなどに幅広く利用されるという。
なお、百周年祭実行委員会(昨年解散)は同公園のほか、「高齢者福祉施設」と「教育施設の設立」を目標にかかげてきた。
福祉施設は08年、長崎純心会のシスターが始めたデイケアセンターを支援する形で実現。教育施設は、昨年末から浄土宗日伯寺が計画を始めた全日制学校の設立事業を援助する形で行なう。
具体化はまだまだ先だが、山脇氏は「これが完成したら地元コロニアの夢が全部かなう」と意気込んでいる。