ニッケイ新聞 2013年1月16日付け
インフレ率が高騰するのを恐れ、ジウマ大統領がサンパウロ市とリオ市に1月に行う予定だったバス代値上げを延期するように要請していたと、15日付伯字紙が報じている。
15日付伯字紙によると、ジウマ大統領はハダジサンパウロ市市長と直接話し、バスの値上げを1月に行わないよう要請した。リオのエドゥアルド・パエス市長は、年末にギド・マンテガ財務相から同様の要請を受けた。
1月はただでさえ値上げが多く、拡大消費者物価指数(IPCA)が上がりやすい時期であり、それに加えて両市がバス代を上げれば、1月のIPCAが0・8〜1・0%上がり、13年のインフレが政府目標の上限である年6・5%を超える怖れがあるからだ。
サンパウロ市のバス代の値上げ幅はまだ発表されていないが、サンパウロ州では13市で12月からバス代が上がり、サンパウロ市の現行料金より10%高い3・30レアルになっている。また、リオでは12月に、1月1日から現状の2・75レアルから2・90レアルに5%値上げと発表されていた。
サンパウロ市のバス料金は2011年1月の2・70レアルから3・00レアルへの引き上げ以来、2年間据え置かれている。それ以降の2年のインフレ率は累計12・7%で、それをそのままバス代に当てはめると3・38レアルになるが、その額よりは低く抑えると見られている。サンパウロ市での値上げの時期は6月1日になると見られているが、リオ市長はまだ値上げの時期に言及していない。
なお、地下鉄とCPTMも、ビレッテ・ウニコとの連動の関係でバスの値上げと同時期に同様の値上げがあると見られている。ハダジ市長が公約として掲げた定期券(ビレッテ・ウニコ・メンサル)の導入も今年前半と見られている。