ニッケイ新聞 2013年1月18日付け
ルーラ前大統領(労働者党・PT)は16日、サンパウロ市庁舎を訪れ、フェルナンド・ハダジ市長(PT)と市局長たちの前でサンパウロ市運営のためのアドバイスを行い、州政府や連邦政府との連携の大切さなどを説いた。17日付伯字紙が報じている。
ルーラ氏はアングラ・ドス・レイスでの休暇から戻った翌日にサンパウロ市庁舎を訪れ、市政会議に参加した。これは、休暇を終えたルーラ氏からの電話で「会いたい」と言われたハダジ市長が、「市役所に来てもらってもよいか」と答えたことで実現したもので、市長は表敬訪問と位置づけた。
ルーラ氏はハダジ市長とナジア・カンペオン副市長の間に腰掛け、前日召集を受けた主要11局の局長たちの前で、サンパウロ市へのアドバイスやハダジ氏に期待するものを約80分間語った。
アドバイスの中には、サンパウロ市内で昨年24件発生し、今年も既に2件起きた大量殺人の問題や、雨季である夏に課題となる冠水や洪水などの社会問題を最優先するようにとの具体的なものもあったが、今回もっとも強調されていたのは、州政府や連邦政府とのさらなる連携強化だった。
ハダジ市長によると、ルーラ氏は「リオ市を引き合いに出して、連携の重要性を説明した」という。リオ市は2012年にリオ州や国との連携を強化し、その結果、ブラジル史上はじめて、サンパウロ市以上の事業投資を行うことに成功した。リオ市の12年度予算はサンパウロ市より36%低かったにも関わらず、34億2千レアルの事業投資を行ったのに対し、サンパウロ市の事業投資は29億レアルに止まった。また、サンパウロ市が13年に国から得ることのできる資金援助は推定20億レアルだが、リオ市とリオ州がリオ五輪のある16年末までに得る資金援助は90億レアルに上ると見られている。
国や州との連携はハダジ市長も各局長に強く望んでいるところで、クラコランジア対策や保育園増設のため、保健省や教育省と協定を結ぶことを求めている。
ルーラ氏は、市民とのコンタクトと市政を行うことにおいて各局長は市長同様に重要な役割を担うべきとし、チームワーク強化の大切さ、区役所や市役所で行う市民会議の重要性、事業は中途半端で終わらせない、問題は一度に解決できないから優先順位をつけることなどを説いた。市長の任期が終わるときは、はじまるときよりも高い支持を得ていなければいけないとした。
メンサロン夕食会=PT同僚らが協力
労働者党(PT)ブラジリア支部が、メンサロン事件で有罪となったジョゼ・ジルセウ氏ら4人の被告に課された罰金をまかなうための夕食会を17日に開いた。同夕食会の券は100〜1千レアルで、16日までに110枚が売れたという。夕食会には、PT役員や同党議員のほか、ジルセウ氏の息子で共和党のゼッカ・ジルセウ下議も出席。4人の被告の罰金は合計で約184万レアルとなる。