ニッケイ新聞 2013年1月18日付け
戦後移住60周年記念祭実行委員会の川合昭実行委員長は17日、発起人で副実行委員長の中沢宏一氏、ブラジル日本都道府県人会連合会の園田昭憲会長とともに来社し「しっかりと足跡を残せるものにしたい」と意気込みを語った。計17万レアルという予算案が示されるとともに、関連事業として記念誌の編纂が行われることも決定した。式典は7月に開催される『第16回県連日本祭』内で開かれる。
同委員会は昨年12月に発足。各都道府県知事に招待案内を送るなどの準備を進めてきた。
これまでに決まっていた記念式典の開催と日本祭へのブース出展に加え、2004年に出版された50周年史『ブラジル日本移民 戦後移住の50年』を補完する内容となる記念誌の作成も計画している。
中沢副実行委員長は「(50周年史を)作った10年前と現在とは、ブラジルの世界的な立ち位置が全く違う。新興国として注目が集まっている今だからこそ、新たにまとめなおす必要がある」と意義を語った。
予算は会場費、交流会費、記念誌編纂費など計17万レアルとし、主催団体となる県連を通して進出企業などから協賛金を募るという。
園田会長は「戦後移民の功績を考えても、記念事業を行うことは避けては通れない道。決して大袈裟にする必要はないが、身の丈にあった形でもしっかりと行うことは必要」と話すとともに「事業の主体は実行委員に一任するが、スポンサー集めや会計面の手続きなど、出来うる限りバックアップしたい」との姿勢を示した。
「戦後移民がいなければ今のブラジルはない」と熱を込めて話す川合実行委員長は「懸念された予算にもあてが出来た。時間は限られているが、しっかりと準備して戦後移民の足跡を残せるものにしたい」と語った。