ニッケイ新聞 2013年1月23日付け
サンパウロ市北部のジャラグアで21日正午過ぎ、市環境局職員らが乗ったヘリコプターが民家の上に墜落し、操縦士が死亡、5人がケガをするという事故が起きたと22日付伯字紙が報じた。
操縦士のマルセロ・ステラ・デ・メロ・リベイロさんと環境局職員3人が乗ったヘリがカンポ・デ・マルテを飛び立ったのは12時01分。約2時間かけてペルース地区の公園などを視察するはずだったヘリがジャルジン・リンコンのファヴェーラに墜落したのは12時20分頃だ。
民家5軒を直撃したヘリは燃料漏れを起こし、墜落後も回り続けたプロペラが電線を巻き取って機体周辺で火花が散ったりしたため、住民の一部がパニックを起こした。
民家3軒には子供2人を含む住民数人が閉じ込められたが、隣人らが扉を壊したりしたおかげで家から脱出。ヘリに乗っていた市職員3人と住民2人が重軽傷を負ったが、住民らは消防到着までの約20分間、ホースでエンジンを冷やす、ヘリの中の負傷者を救出するなど、大活躍した。
目撃者の1人は、ヘリの操縦士は公園内に着陸しようと試みていたようだが、左右に触れながら飛んでいたと思ったら急に角度が変わって墜落したという。マルセロさんは飛行歴14年の経験豊富な操縦士で、ヘリの保守作業も規定通り行われていたといい、当局が墜落の原因を捜査中だ。