ニッケイ新聞 2013年1月29日付け
サンパウロ市中央部ルス駅の混雑を解消するために、パウリスタ都電公社(CPTM)が周辺のボン・レチロ地区に新たな駅を作ることを計画していると、25日付伯字紙が報じている。
このボン・レチロ駅はCPTMの7号線、8号線、10号線をつなぐ駅になる予定で、CPTMのマリオ・バンデイラ総裁によると、既に基本的な契約は済んでおり、14年の6〜7月に着工、2015年までに開業の見込みだという。
現在のルス駅は、地下鉄の1号線と4号線、CPTMの7号線と8号線の四つの線の中継地点として機能し、平日は1日平均15万人が利用しているため、ラッシュ時の混雑がひどい、電車の発着が遅れる、人ごみが多すぎてプラットフォーム間の迅速な移動が出来ないなど、利用者の苦情が殺到している。
またCPTMは、それと並行してルスに200メートルのトンネルを新設するという。トンネル建設は夕方の混雑を避けるためだが、こちらの着工は14年の第1四半期となる見込みだ。
ボン・レチロ駅は市の「ラッパ・ブラス地区都市化計画」対象エリア内のファヴェーラ・ド・モイーニョに建設される予定だが、この説について住人たちは「私たちは何も聞かされていない」と相談のないことを不服としている。同ファヴェーラはCPTM7号線と8号線、エンジェニェイロ・オルランド・ムルジェル高架橋に囲まれた地域にあり、3人が犠牲となった2011年12月の火災以来、火災が2度発生、数百世帯が立退きを行ったが、この区画に駅建設となれば残る250世帯の早急な立退きが必要となる。市では現在建設中の集合住宅2カ所への移転を勧めており、住宅の完成までは家賃の補助を行う意向だ。