ニッケイ新聞 2013年1月29日付け
英国で合法滞在のブラジル人にも強制退去を命じる文書が届き、物議を醸し出していると25日付エスタード紙が報じた。
英国政府が契約した業者が12月25〜31日に退去命令を送りつけた外国人滞在者は17万4千人。合法滞在者の中にも退去命令を受け取った人が相当数いるという。
書類の記入ミスで居住ビザを拒絶された事があるが、正規の労働ビザを取得して働いているリオ出身女性は、ブラジルで休暇を過ごして英国に戻った際、空港で足止めされ、数日後に4日以内の退去を命じる文書を受け取った。弁護士から連絡を受けた会社が当局に文書を送ったところ、登録システムを更新しておくと言われたという。
移住問題を専門とする現地の弁護士のもとには絶望して飛んで来る人が後を絶たないが、英国人と結婚してビザを持つ女性にも退去命令が届くなどの混乱は、英国の移民管理システムの情報が2008年から更新されていないために起きたものだという。弁護士達は、経済危機などの時は弱い立場の移民が標的にされるのが常と述べている。