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人気上昇中! MNラーメン=開店から半年、現状を聞く

ニッケイ新聞 2013年1月31日付け

 MNラーメン店舗がモジ・ダス・クルーゼス市中心部に開店され、早くも6カ月が過ぎようとしている。その現状についてMNプロポリス社の松田典仁会長、和田カルロス社長および店舗の責任者である柏葉ジョエル氏(取締役)から、その美しさ、従業員教育、品質へのこだわり、化学調味料を一切使用しない天然の味などについて話を聞いた。

涼しく、日本語が響く店内

 店に入って驚いた。店内には日本と比べても多い58席があり、余裕のある広さ、テーブルや椅子などの調度品もデラックスで清潔感あふれ、調理場は自社設計・製作のオールステンレス製、カウンターはアンジェリカ材の極厚木材で10席、重量感あふれ落着いた感がある。
 出入口はエアーカーテンで外気を遮断し衛生的だ。また店内には3台、調理場にも1台のエアコンを設け、顧客及び従業員への気配りもうかがわれる。そのせいで店内の雰囲気も和らぎ、夏の暑い季節でも22〜24℃に保たれている。
 店に入るとブラジル人の美人従業員が「いらっしゃいませ」と日本語で迎えてくれる。ラーメン、餃子などの配膳には「おまちどうさま」、退席時には「ありがとうございました」と明るい笑顔で対応する教育ぶりに、すでにまた来たくなる感を持った。

味は8種類、お好みをどうぞ!

 店内には、コンピューター・オンラインが導入され合理化が図られ、サンパウロ市のレストランでは一般的でも、地方都市モジ市ではまだ少ないとのこと。このシステムの導入により、顧客の注文はすぐ調理場に、また会計にフィードバックされ、4台のテレビカメラがMNプロポリス工場にビデオ送信している。松田会長が「ラーメンの味と品質」「サービスと店内の雰囲気」「安全」に頭を悩ましている、と言う言葉が理解出来た。
 ラーメンの種類も充実し、みそ、しょうゆ、カレー、ぴりから、豚骨、塩、冷やし、焼き、の8種類を揃え、研究開発から約4年の短期間でこれだけの品種を揃える事が出来るのも、MNプロポリス社の開発部が充実していること、責任者である柏葉ジョエル氏の熱意と努力の賜物であろう。ラーメンの種類により麺の太さも異なりその味は、ブラジルで最高と言っても過言ではないと感じた。

時代にあわせ、システム化

 ラーメンのプロ職人になるには、少なくとも4、5年の修業が必要と言われている、MNラーメンでは「一つの味」を織り込むために、デジタル・クッキングと言われる数値で管理するシステムを柏葉氏が考案した。
 コンピュータに入力し今の味より例として甘みプラス20%、酸味マイナス10%、他などを決める時に役立てている。このシステムの導入により沢山の種類のラーメンが開発され、今でも新しいタイプの「スパゲティ・ラーメン」「海ラーメン 魚類と海藻類」「フェイジョン・ラーメン」などに挑戦している。
 種類が多いため「ラーメンのデパート」とも言われるが、人により嗜好が異なり、季節により素材も移り変わることを考慮し、その原点、自然の味、美味しさには最大限の注意を払っている。
 ラーメンのプロ職人になるためには、時間の短縮が望まれている。集中力を高め時代の変化に対応し、プロの職人には日々の努力が不可欠であることを痛感した。

化学調味料ゼロ、味の秘密は…

 味について、麺は特別に発注している小麦粉の準強力粉で美味しさのもとはグルテンと澱粉で加水には軟水を使用し、製造工程での寝かし時間他には最大の注意を払い、香りのある、腰のある麺に仕上げている。
 たれ類(味噌、醤油他)はMNプロポリス社の工場で時間をかけ、超高圧加工処理装置などを活用して調合され、スープは野菜、肉、魚、乾燥、果物類などを8時間以上煮込み、コクのある味を抽出している。
 また、化学調味料を一切使用しないため「隠し味」としてMN焼酎醸造技術で培われた麹技術が、塩麹として要所要所で活躍している。
 日本の国民食とも云われるラーメンの専門店はサンパウロ市に数店あるのみ。「今後ブラジル人の社会に深く浸透するためには、ブラジルの食文化を尊重し、この国の生活・習慣に合った〃味〃を求める必要がある。『味には国境がない』との原点に立ち、美味しく健康に優しいラーメンとは何かを永久に追求しなければならない」との松田会長の言葉が印象的だった。
 現在、ブラジル人の来客数は31〜33%という。早い機会に45%になる事を願望し、寿司屋同様、顧客の中心がブラジル人になり、にぎやかな笑い声が聞こえる店にするのが、松田会長の願いだ。

「将来は総合メーカーに」

 アメリカでは今年がラーメン文化元年と言われ、ロス、ニューヨークなどの大都市には、日本からラーメン店舗が沢山進出している。
 ブラジルでも、2、3年後にはアメリカ同様のブームが起こるであろう。MNラーメンはそのための準備を行い、大きな目標は「ラーメンの原材料屋」として、麺、たれ、フランキアー(フランチャイズ)などとしての企業になる事である。
 「人材も育ちつつあり、稲盛哲学を中心とした従業員教育を施し、年内に生産設備を完備する。近い将来はブラジルで最高の技術と品質を誇る企業、ラーメン総合メーカーに成長させたい」と松田会長は夢を語ってくれた。
 また柏葉氏からはサンパウロ市内に、2号店舗の計画のある事を聞き、ラーメンにかける強い熱意を感じ取った。
 日本の寒い冬はラーメンが特に美味しい季節だ。梅の花は寒い冬を乗り越え、寒さの終結を告げる花として、新しい希望を伝える花として、また、強く人生を生き抜く花として人々に親しまれて来た。
 MNラーメンも梅の花の如く、美しく、強く、利他の心でこの地ブラジルで頑張り成長発展し進化する企業を目指している。ぜひ時間を作って「日本人の街」モジ・ダス・クルーゼス市に足を運びMNラーメンの美味しさ、サービス、雰囲気を味わいつつ試食して見ませんか。
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 MNラーメン(Rua Coronel Souza Franco no. 813, Centro, Mogi das Cruzes, SP, www.mnlamen.com.br, (11) 4726-2680/2786)月曜定休。火〜土(午前11時〜午後3時、午後6時〜10時)、日(午前11時〜午後3時)