ホーム | ブラジル国内ニュース(アーカイブ) | サンパウロ市地下鉄=6号線建設にゴーサイン=14年には着工の目処=万博開催なら6キロ延長=住民達は立ち退きに反対

サンパウロ市地下鉄=6号線建設にゴーサイン=14年には着工の目処=万博開催なら6キロ延長=住民達は立ち退きに反対

ニッケイ新聞 2013年2月1日付け

 サンパウロ州環境審議会(Consema)が1月29日、サンパウロ市中央の地下鉄サンジョアキン駅から北部のブラジランジアを結ぶ地下鉄6号線(橙)建設のための環境許可を出し、30日に入札規定発表と30、31日付エスタード紙が報じた。発表時には、2020年の万博開催の場合はモノレールを使った路線延長との話も出た。

 サンジョアキン〜ブラジランジア間15・9キロを結ぶ6号線は大学路線とも呼ばれ、早期着工と完成が待たれていたが、今回の環境許可取得で、14年着工、20年完成の目処がついた。
 大学路線という別名は、沿線に、メトロポリタナス・ウニダス大学(FMU)始め、サンパウロ・カトリック総合大学(PUC)、アルマンド・アルバレス・ペンテアード大学(Faap)、マッケンジー、ジェツリオ・ヴァルガス財団(FGV)といった高等教育機関があるためについたものだ。
 マッケンジーやPUCといった大学名入りの駅もある同線は、サンジョアキンで1号線(青)、イジエノポリス—マッケンジーで4号線(黄)と接続。他の路線との乗り換えが可能になるため、大学への通学の便が良くなると共に、地下鉄全体の混雑解消にも繋がると期待されている。
 15の駅が設置され、1日の利用客は65万人と予想される6号線は、2013年に着工の予定だったが、駅建設予定地の変更などで環境許可取得が遅れ、14年の着工となった。同線の建設は官民共同事業(PPP)で、建設と運営を地下鉄4号線の運営を担当しているヴィア・クアットロらのコンソーシアムが手がける可能性が強い。
 また、入札規定発表の30日、ジェラウド・アウキミンサンパウロ州知事は、ブラジランジアからバンデイランテス道まで6キロの路線延長にも言及。
 延長部分はモノレールとなる予定だが、この部分が20年までに建設されるか否かは20年の万博招致の結果次第だ。延長路線は500万平米といわれる万博会場建設予定地を通るためで、万博開催なら20年までに建設だが、開催が不可となったら他の路線との優先度を見極めながらの建設となる。万博開催の場合は、パウリスタ都電公社(CPTM)7号線ヴィラ・クラリセ駅の改修工事も行われる。
 なお、ブラジランジア駅建設予定地の住民は30日、建設予定地を150メートルほどずらすようアウキミン知事に要請した。場所をずらせば人口密度が半分になるから、立ち退きが必要な世帯数も現計画の300世帯より減るという。
 6号線15駅は、サンジョアキン、ベラ・ヴィスタ、14BIS、イジエノポリス—マッケンジー、アンジェリカ・パカエンブ、PUC—カルドーゾ・デ・アルメイダ、ペルディゼス、SESCポンペイア、アグア・ブランカ、サンタマリーナ、フレゲジア・ド・オ、ジョアン・パウロ・プリメイロ、イタベラバ—ヴィラ・ペンテアド病院、ヴィラ・カルドーゾ、ブラジランジア、延長5駅はモーロ・グランデ、ヴェリャ・カンピーナス、ピリツーバ・コンベンションセンター、ヴィラ・クラリセ、バンデイランテス。