ニッケイ新聞 2013年2月1日付け
1月30日、リオで2014年サッカーW杯の公式ポスターが披露され、ロナウドがW杯成功に向けた一致団結を訴えた。1月31日付伯字紙が報じている。
本来は「大会まで500日」だった1月28日に予定されていたお披露目式は、南大河州でのナイトクラブ火災を受け一時自粛。2日ずらして披露された14年W杯の公式ポスターは、ボールを奪い合う2本の足をブラジルにまつわる花や動物をあしらいながら描いたものだ。これは1950年のブラジルでのW杯のポスターが、参加国の国旗を描いた靴下を履いた足とボールというデザインだった伝統を踏襲している。
2本の足とボール、上方に描かれたデザインの間に囲まれた白い部分はブラジルの形になっており、前回2010年の南アフリカ大会のポスターが、ボールをヘディングする黒人選手の顔がアフリカ大陸の形を模していたのを踏襲した。ボールの部分はウルグアイ、左側の空白はアルゼンチンを彷彿とさせる。
また、14年大会のブラジル親善大使の発表も行われ、現地組織委員会(COL)所属のロナウドとベベット、ブラジル女子代表選手のマルタ、ブラジルの4度の優勝に貢献した選手で代表監督も務めたザガロ、70年W杯優勝時の主将のカルロス・アウベルト、62年W杯優勝時にケガをしたペレに代わって4試合に出場、決勝などで3点を挙げたアマリウドが選ばれた。
ところが、おめでたい披露の場に臨んだ代表団に取材陣が厳しい質問を浴びせた。質問の矛先が向けられたのは国際サッカー連盟(FIFA)のジェローム・ヴァルケ事務局長で、同氏が2007年にFIFAを離れていた際、14年のW杯誘致のためにブラジルサッカー連盟(CBF)のリカルド・テイシェイラ会長(当時)の下でロビー活動を行っていた疑惑についてのものだった。
これに対しヴァルケ氏は「06年にFIFAをやめ、サンパウロ市の企業に誘われ手伝ったが、誘致のために不正なことはしていない」と答えた。FIFAの調査委員会によるとヴァルケ氏は07年の前半、ブラジルの誘致活動に関わっており、その際、ブラジル側に10万米ドルを請求したとされている。
ヴァルケ氏への質問や現地組織委員長への準備の遅れへの批判で会場が重苦しい雰囲気となったのを見たロナウドは、「巷はW杯に対する期待と幸福感に溢れている。私たちに向けられている詰問調の質問とは全然違う」とマスコミを批判。「今はW杯の成功のためにみんながひとつになるべきだ」と語った。