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コラム 樹海

ニッケイ新聞 2013年2月1日付け

 「22年間もこの大会に参加しているが、今回の待遇、運営が今までで最高だった。これは私だけでなく、多くの参加から同じ感想を聞いた」。26日の聖南西文化体育連合会(UCES)総会では、レジストロ入植百周年を記念して同地で開催された全伯卓球大会への賛辞があちこちから聞かれ、中でも渡辺勝米UCES卓球部長はそう称賛した▼平素から食事が美味いことで定評のあるレジストロ日伯文化協会の婦人部だが、今大会でも大車輪の活躍を見せた。791人もの選手に計4400食も提供するのは、どんな大婦人部でも大仕事だ。聞けば、婦人部が3グループ(朝、昼、夕)に分かれて会員外の友人もかき集め、各20人前後の協力者が懸命に料理したとか。その食材は聖南西全体から持ち寄った。まさに地域が一丸となった受け入れだ▼ちなみに同総会後の新年会では、池部健一パウロさんが調理したピラルクーの刺身も出され、同地名物のマンジューバと共に出席者を喜ばせた。カナネイアでホテルを経営していただけあって、池部さんの包丁さばきは実に見事だった▼総会翌日には柳生凾治・てるゑ夫妻の金婚式が同市内で盛大に行われた。てるゑ夫人はレジストロ文協創立以来、20年間も婦人部長を務めてきた功労者だ▼普通なら、移住百年も経てば混血も進んで日本文化を忘れるだろうと言われそうだ。でもレジストロでは百周年を迎えてなお、日本の文化や心を忘れない子孫が集って地域社会と協調し、寿司祭り、灯篭流しなどの日本的特色を持つ行事を通して市全体を盛り上げている。地方団体の模範的あり方の一つだろう。(深)