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ヨアニさんが新旅券取得=キューバの国外渡航緩和で

ニッケイ新聞 2013年2月2日付け

 キューバ政府から5年で20回の出国拒否にあい、ブラジル外務省も巻き込む話題の主となっていたジャーナリストのヨアニ・サンチェスさん(37)が新たなパスポートを入手し、自由に渡航できるようになった。1月31日〜1日付伯字紙が報じている。
 ヨアニさんは自身のブログでキューバ社会の現状を伝えて国際的に話題となり、ジャーナリストの賞も数々受賞。08年には米国「タイム」誌の「世界で影響力のある100人」に選ばれ、オバマ大統領からも絶賛されたほどの人物だ。
 だが、同時にキューバ政府からの監視の目も厳しくなり、スペインや米国でのジャーナリスト賞の授賞式出席を目的としたものを含む国外渡航も5年間で20回却下された。12年1月にはブラジル渡航を希望し、ブラジル外務省もビザを発行したが、出国できなかった。
 ところが、12年10月、キューバ政府が国外渡航に関する大幅な緩和策を発表。渡航に不可欠だった、政府発行の証明書「カルトン・ブランコ」と滞在先の国の証明書の二つが廃止され、同国民の2〜3年分の所得に相当する計340米ドルの書類取得費用も不要となった。
 だが、「国家保護と安全確保が必要な場合、渡航を禁じる」との条項があることからジャーナリストらへの新パスポート発行の有無が注目されていたが、ヨアニさんの場合は1月30日、無事パスポートを受取った。
 ヨアニさんは早速ツイッターで「信じられない」と喜びを爆発させ、メキシコの新聞の取材には、「最初に行く国はブラジル」と明言した。ヨアニさんは既にペルナンブーコ州レシフェ行きの搭乗券を入手しており、今月の10〜15日あたりで訪れる予定だという。
 だが、その一方、反政府運動家などへの新パスポート発行が行われないなど、キューバ国内では依然不満の声も強い。