ホーム | 日系社会ニュース | コチア市=茶室がほぼ全焼、放火か?=「再建するか分からない」

コチア市=茶室がほぼ全焼、放火か?=「再建するか分からない」

ニッケイ新聞 2013年2月5日付け

 サンパウロ州コチア市のラポース・タヴァレス街道沿いにある日本庭園内茶室(カーザ・デ・シャー)が先月18日午後5時55分頃火災に遭い、柱と屋根を残し全焼した。出火原因はまだ特定されていない。
 同公園は同市と高知県いの町の友好都市提携を記念して移民80周年(1988年)に開設された。同市が管理運営を行うが所有権はサンパウロ州にある。毎年9月にあるコチア産組創立者・下元健吉や元コチア組合関係先没者の慰霊ミサの後に、同公園を訪れて下元胸像などに献花していた。地元市民にとっても憩の場となっていた。
 火災直後に現場に駆けつけたコチア青年連絡協議会の村田重幸副会長によれば「茶室は普段火の気がなく火災は初めて」という。木造のためにすぐに延焼したが、付近に設置されていた胸像類や記念碑などは無事だった。村田副会長は「この時間なら人はおり、警備も24時間常駐している。皆『誰かが火をつけたかな』と言っている」と放火の可能性が高いとみている。
 同街道両脇は5〜6年前から再拡張工事が進められていたが、同公園の存在がその妨げになっていたため、今回の事件とその関係を疑う人もいるようだ。ただし、「公園移転の件は市議会で何度も議題に上がっているが、コチア青年や高知県人会は直接移転を要求されたことはない。我々が拒否しても影響力はない」ため関係は不明とのこと。村田副会長は「公園移転の話がはっきりするまでは、再建できるかどうかは分からない」と話している。