ニッケイ新聞 2013年2月7日
来月2日(伯時間3日)から始まる野球世界大会『ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)』に出場する野球ブラジル代表チームの壮行会が5日、在サンパウロ総領事公邸で行われ、日系団体関係者など約100人が選手らにエールを贈った。初戦に福岡のヤフードームで三連覇を狙う日本と対戦することが決まっている。ブラジル野球連盟の佐藤天一郎副会長は「プレッシャーがかかるのは実績のある日本だけ。十分勝機はある」と〃大物食い〃に期待を寄せた。
本大会に登録された28選手のうち日本で調整を行うプロ野球や実業団チームに所属する選手を除く、ブラジルやアメリカの球団に所属する15選手(うち日系人選手2人)に加え、監督・コーチを含む関係者21人の計36人が出席した。
福嶌教輝総領事は挨拶での激励の後、米・メジャーリーグで活躍した名選手で昨年9月から監督を務めるバリー・ラーキン氏とプレゼントを交換。続いてラーキン氏の音頭で乾杯が行われた。
チーム最年少の16歳の三世投手、ミサキ・ダニエルさん=ニッポン・ブルージェイス=は「自分の強みは強い心。自信を持って堂々と戦ってきたい」と話した。日本代表との対戦についても「12歳の時に、日本での小学生代表同士の試合に出場して1対0で勝った。その再現を狙いたい」と力強く語った。
埼玉・本庄一高に留学し、甲子園大会にも出場した経験を持つ奥田ペドロ内野手(22、二世)=シアトル・マリナーズ傘下=も「日本は青春時代を過ごした思い出の地。友人や当時の監督に成長した姿を見せたい」と意気込んだ。
今回の代表チームにも日系人選手は12人が登録される。ラーキン監督は「彼らはチームに真面目さと規律を与えてくれる」と評価。さらに本紙の取材に対し「ブラジルの野球は日本から伝わったということは知っている。(日系人選手らは)常に日伯両方の国の誇りを持って闘っている」との印象を語った。