ニッケイ新聞 2013年2月7日
先日名古屋南ロータリークラブから一行が来伯し、高齢者介護施設に医療機器の寄付を行った。施設見学の際、ドアが開放され入居者が敷地内を自由に行き来できる作りを目にし、設計の専門家が「ここのはすごく開放的」と感心した様子で言った。
彼によれば、日本は「年寄りを狭い場所に集めて面倒を見るという感じ。機械的で商売優先」。入居者にとれば開放的な方が望ましいが、施設側が潜在的な危険を回避し、入居者の〃管理〃しやすさを追求するあまり、閉鎖的になっているのが日本の現状のようだ。
一見、当地の施設が解放的に見えるかもしれないが、実は単にブラジルにありがちな安全性を軽んじた結果なのかもしれない。
管理が行き届きながらも、生き生き余生を送れる場が福祉施設の理想的な姿なら、それは両国にとってまだまだ高いハードルといえそうだ。(阿)