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「最高裁決定には従う」=アウヴェス議長が翻意

ニッケイ新聞 2013年2月8日

 エンリケ・アウヴェス下院議長(民主運動党・PMDB)は6日、ジョアキン・バルボーザ連邦最高裁長官と会談し、自身の主張してきたメンサロン裁判の有罪議員の罷免問題についての見解を覆した。7日付伯字紙が報じている。
 4日の下院議長選で当選したアウヴェス氏は、かねてからの「国会議員の罷免の最終決定は議会で行う」という意見を再度主張した。これは、12年12月17日にメンサロン裁判で出た「断罪された議員は有罪判決を受けた時点で自動的に罷免される」との判決と、「議会は最終的な罷免宣告をするだけ」という最高裁の見解に真っ向から対立するものだった。
 だが、最高裁にバルボーザ長官を訪ね、会談を行った後はその見解が変わり、「最高裁の決定にこちらから反対することは何もない」と発言。最高裁の判決を尊重するとの見解を示した。
 同氏によれば「当該議員が充分な抗弁の機会を与えられないまま断罪され、判決が覆る可能性がある場合は、本会議で無記名投票を行う可能性がある」が、それ以外の場合は「最高裁の判決に従い、最終手続きを行う」と語った。今後は、有罪議員からの上告が皆無となって判決が確定した時点で判決文が議会に送付され、監査委員会が審議後に執行部に報告書を提出、それを検討した執行部が、即座に罷免を宣告するか、倫理委員会や本議会に回すかを決める。
 断罪から上告、最終判決、罷免まで時間がかかる可能性はある。2010年に公金横領や犯罪集団形成などで懲役13年4カ月10日の判決を受けたナタン・ドナドン下院議員(PMDB)は、上告により、現在も議員職にとどまっている。
 また、執行部が今後、アウヴェス氏の発言に同意するかも不明だ。執行部7人のうち、野党議員を除く6人は「最終的な決定は議会で」との意向を表明していた。