ニッケイ新聞 2013年2月9日
「30年前は野球代表と言えば日系人しかいなかった」とは、長く地域のクラブで指導に携わる関係者の言葉だ。
この度発表されたWBCに挑む野球代表28人のうち、日系選手は12人。現在でも他のスポーツの代表チームでは中々見られない割合なのは間違いないが、日系人しか野球をやらなかった時代に比べると隔世の感があるのか。
そもそも非日系の野球人口が増えた時期ときっかけを尋ねると「88年頃、デカセギが活発になった影響で」という。野球をする若い世代が子供とともに当地を離れたことで、選手の確保に非日系の取り込みが積極的になったという図式だ。
今回、非日系の教え子が代表に選出されたという冒頭の彼は「一つの夢が叶った」と大喜び。デカセギの増加とは様々な面で、日系社会に大きな影響を与えたのだと改めて実感。(酒)