ニッケイ新聞 2013年2月12日
サンパウロ市カーニバルのスペシャル・グループのパレードはサンパウロ市北部アニェンビのサンボードロモで行われ、8日夜から10日未明に14のエスコーラが競演した。9〜11日付伯字紙を通じて、今年人気を集めたエスコーラを見てみよう。
初日に登場した七つのエスコーラの中で評判が良かったのは、ローザス・デ・オウロとヴァイ・ヴァイだった。
ローザスは、世界とブラジルの祝祭を表現し、イタリアのヴェネツィアの仮面舞踏会を模した豪華な衣装のダンサーや、メキシコの「死者の日」をイメージした骸骨の山車、英国の近衛兵に扮したバテリアたちが登場した。ブラジルの祭りとしてはサンジョアンやボイブンバなどを表現し、ミスなくまとめた。
ヴァイ・ヴァイは「ワイン」をテーマにしたパレードを展開。キリストが水をワインに変えたことや、古代ローマやエジプトのワインにまつわる伝説をダンサーたちが表現し、実際の葡萄の匂いを漂わせたり、人工の雪を降らすなどの実験的試みも行った。ただ、4番目の山車が壊れ、減点対象になりそうだ。
初日は雨が降り、ドラゴンエス・ダ・レアルのように苦しんだエスコーラも目立った。
2日目に好評を得たのはガヴィオンエス・ダ・フィエル、モシダーデ・アレグレだった。
コリンチャンス応援団が母体のガヴィオンエスは、昨年のコリンチャンス世界一を表現。最後の山車には、クラブW杯決勝でチームを優勝に導いたゴールキーパーのカシオも登場した。全てミスなく演じたが、ガヴィオンエスの客席で禁止されている花火類の使用があり、問題となった。
2年連続優勝を狙うモシダーデは「誘惑」がテーマで、巨大な林檎を配した山車で観衆の目を引きつけ、「この林檎をかじった人は(創造主となり)自分の運命を変えられる」という歌詞で観客にまで誘いかけた。3種類の太鼓を巧みに叩いた「楽隊の女王」、アリーネ・オリヴェイラの存在も目を引いた。
また、俳優マリオ・ラーガの一生をテーマにした初日登場のマンシャ・ヴェルデ、喜劇俳優マッサロピにヒントを得たパレードを行った2日目登場のアカデミコス・ド・トゥクルヴィも好評で、優勝候補の一角に入って来そうだ。
結果発表はきょう午後、サンボードロモで行われるが、昨年の結果発表で乱入事件が起こったこともあり、厳戒態勢の中で行われる。