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世論調査=大学の定員割当概ね賛成も=「黒人枠」へ反対の声も

ニッケイ新聞 2013年2月19日

 ブラジルの国公立大学で採用される予定の、黒人や、貧しい人や、公立学校出身者への定員割当を国民のおよそ3人に2人は肯定しているが、賛同の比率はそれぞれ違い、特に黒人定員に対しての反対意見が比較的多いことがわかった。17日付伯字紙が報じている。
 エスタード紙が世論調査統計機関に依頼して行われた今回の調査は、国公立大学が採択予定の定員割当に関するもので、「公立学校出身」「低所得層」「黒人」の3つの割当に関し、地域や学歴、所得、人種別にアンケート結果をまとめたものだ。
 この結果、全体の62%が、この3つの割当全てに肯定的という数字が出た。だが同時に、この3項目それぞれで結果が異なることも判明した。「公立学校出身」「低所得層」への割当への賛成が共に77%に達したのに対し、「黒人」枠への賛同は64%とかなり数が減った。
 一方、「この3項目すべてに反対」は16%で、「公立学校出身」「低所得層」への反対が19%だったのに対し、「黒人」への反対は32%と他の2つと比べ圧倒的に多かった。
 また、各分野別に見た場合、大学側の3つの割当に対して反対の立場を取る人は「中等・高等教育出身者より大学出身者」「CクラスよりAもしくはBクラス」「北東伯や南東伯より北・中西伯」「黒人より白人」が目立っている。
 だが、そのいずれもが、3つの割当に対し過半数以上が「賛成」との解答を得ていたが、唯一、大学出身者における「黒人枠」への解答が、賛成49%、反対49%で同点となった。エスタード紙はこれについて、「〃黒人〃という枠をもうける以前に、「公立学校」「低所得」という割当がある時点で、黒人学生が既に多く含まれていると考えたからではないか」との分析を示している。
 社会学者のデメートリオ・マグノーリ氏はこの結果に不満を示し、「ブラジル人のほとんどが社会の不平等には反対のはずだ」と答えている。

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