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コラム 樹海

ニッケイ新聞 2013年2月20日

 昨年PSDを創立した時、党首カサビ(前サンパウロ市長)は新党を「右でも左でも、中央でもない」とマスコミを煙にまくような位置づけをした。今回マリナは新党レッジを立ち上げるに当たり、「右でも左でもなく前」と言った▼カサビは元々、野党盟主PSDBに組するDEMだった。「野党ではPT中心の連邦政府との関係が悪く、補助金給付の優先順位が低い。関係改善の為に独立する」との考えから新党を創立したという。つまり本音は与党寄りだ▼昨年10月の地方統一選挙では、以前、市長の座を譲ってくれた恩人ジョゼ・セーラ(PSDB)が再びサンパウロ市長に出馬したため、カサビは彼を応援し義理を果たした。それがなければその時点でPT側と言われた。次回選挙では与党側とのもっぱらの噂だ。つまり政策の右左の問題ではなく、「与党寄り」が方針のようだ。でも昨年の選挙の結果、PSDは497市長を擁立する巨大政党に育った。同じ気持ちの政治家は多い▲最多市長を抱える政党はPMDB(1026市長)、PSDB(702市長)、3位はPT(635市長)だから、PSDはゼロからいきなり4番目にのし上がった。カサビは間違いなく機を見るに敏だ。来年の大統領選挙では台風の目になるかもしれない。より多くの市長を抱えた政党ほど選挙地盤の足腰が強い。PSDを味方にした側が断然有利になるからだ▼マリナは政権を握って政策が右寄りになったPTを嫌い、左を貫こうと離党した。「穢れなきカリスマ環境運動家」の印象が強い彼女はいわば孤高の存在であり、どこか「浮いている」から〃前〃よりも〃上〃の方が相応しいかも。(深)