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真喜屋弘音楽研究所15周年=異例の団結見せ盛上がる=喜びのカチャーシー乱舞

ニッケイ新聞 2013年2月22日

 23団体もが後援に名を連ねるという異例の運営体制の中で、真喜屋弘琉球民謡・古典音楽研究所の創立15周年並びに第1回発表会が17日午後、サンパウロ市の沖縄県人会大サロンで盛大に開催され、500人以上が来場して賑わった。三線伴奏や歌にこだわり、表に立つことをしぶる真喜屋さんに対し、門下生らが強く願い出て実現した。
 山城勇実行委員長は真喜屋さん(72)を「二世で琉球民謡と古典双方の師範免状を持つ唯一の芸能家」と紹介し、「こんな多数の後援団体が揃ったのは初めて。しかも母県の本部・野村流音楽協会と琉球民謡保存会からも祝辞が届いた。真喜屋さんは我々の宝。優秀な二世指導者から伝統芸能が三世、四世に伝わっていくのが実に頼もしい」と挨拶した。
 後援団体を代表し与那嶺真次会長が祝辞、真喜屋さんが謝辞、門下生代表の仲本明男さんが指導への礼をのべた。祝いの席で欠かせない「かぎやで風節」から合同演奏が始まり、四つ竹を打ち鳴らす「踊クハデサ」(うるま婦人会)、ちびっこ民謡合唱では国吉ブルーノちゃん(9、三世)、和宇慶チアキちゃん(8、四世)が見事な「てぃんさぐぬ花」等を披露し喝采を受けるなど17演目が披露された。
 途中、真喜屋夫妻の金婚祝いが突然行われ、親族や来場者が見守る中、戸惑いつつも弘さんは妻清子さん(74、二世)と指輪の交換等を行った。
 ユーモアたっぷりの舞踊「加那ヨー天川」では女役を斉藤悟さん、男役を具志堅洋子さんが舞って観客を喜ばせた。最後は生徒の若者グループが練習の成果を披露し、ウチナーグチで謝辞を贈り、終幕では全員が舞台近くに集まって賑やかにカチャーシーを乱舞した。
 民謡指導歴40年の親川世松さん(91、沖縄県うるま市)=マウア市在住=は「よく練習している。最高の発表会だね」と絶賛した。大城貴美子さん(91、同糸満市)=サンベルナルド市在住=も「私も若い頃、琉舞をやっていた。とても懐かしい」と盛んに拍手を送っていた。県人会役員の田場ジョルジさん(74、二世)も「芸能の中心も二世世代になった」としみじみ語った。