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カンポス=「喧嘩している時じゃない」=PTとPSDBを一喝=両党も怖れる大統領候補=14年に向け準備着々?

ニッケイ新聞 2013年2月23日

 労働者党(PT)と民主社会党(PSDB)の間で起きた14年大統領選挙をにらんだ批判合戦を、同じく14年大統領選出馬が予想されるブラジル社会党(PSB)党首のエドゥアルド・カンポス・ペルナンブーコ州知事が「古い喧嘩だ」と批判した。22日付伯字紙が報じている。

 20日、PSDBが次期大統領候補のアエシオ・ネーヴェス上議による「PT政権で弱体化した13点」発表でPTを挑発すると、PTは「PT政権10周年」の式典でルーラ前大統領が14年大統領選でのジウマ氏再選が回答だという発言でアエシオ氏に反発。ジウマ大統領も、カルドーゾ政権とPT政権は全く違うと主張し、PSDBを激しく否定した。
 これを見たカンポス氏は21日、ペルナンブーコ州グラヴァター市でのセミナーで州内の184市長を前に、「この時期に『古い喧嘩』を持ち出して大統領選を先取って争うことに何の意味があるのか。経済が国民の期待ほど伸びない今は、過去を振り返って争うことよりも、今やこれからを考えることが必要だ」と発言し、市長たちから喝采を浴びた。
 カンポス氏は自身の大統領選出馬についても、「今年は、国民のために本当に必要なブラジル経済の成長を考える。大統領選のことは14年になってからだ」と語った。
 カンポス氏は、連邦政府と同州、州内諸市との関係について批判した後、州政府から各市へのインフラや保健に関する支援として6億1200万レアルを拠出することを公表した。
 カンポス氏の存在は、PTやPSDBにとっても目が離せない。北東伯で圧倒的な影響力を誇り、12年の全国市長選で最も市長数を増やしたPSBの党首に対し、現在連立を組んでいるジウマ大統領は1月に連立継続を呼びかけたが、カンポス氏は「13年は約束するがそれ以降はわからない」と解答。ルーラ氏は、現在副大統領を擁している民主運動党(PMDB)に対し、サンパウロ州知事と引き換えに副大統領職を譲らせ、カンポス氏を副大統領に迎えるよう画策中との報もある。
 一方、連邦政府では野党であるPSDBは、カンポス氏と古くからの親友のアエシオ氏を介し、12年の全国市長選でミナス・ジェライス州ベロ・オリゾンテなどの重要市で同盟を組み、PSBの台頭をもたらしたいきさつがある。
 現在、大統領選に関しては静寂の構えのカンポス氏だが、エスタード紙によると、14年の知事選に向けてはかなり積極的に動いており、州知事数を現在の倍の12人にしたい意向だという。
 例えば、バイア州知事候補には、国家法務審議会(CNJ)の〃正義の判事〃として話題となったエリアーナ・カルモン元高等裁判所判事を迎えるプランがあるという。現サルバドール市長のACMネット氏の祖父アントニオ・カルロス・マガリャンエス氏以来続く同州の政治の汚職体質に一石を投じたい模様だ。