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キューバ=「人権問題にもっと厳しく」=ヨアニさんがブラジルに注文

ニッケイ新聞 2013年2月23日

 18日から来伯中のキューバのジャーナリスト、ヨアニ・サンチェスさんがサンパウロ市で行われた公開質問会に参加し、キューバの人権問題に関するブラジル政府の対応などを批判した。22日付伯字紙が報じている。
 エスタード紙主催で行われた公開質問会は、約200人ほどの参加者を得て行われた。参加者の大半は報道陣で、質問は事前に書面で提出する形で行われた。
 ヨアニさんはキューバとブラジルの関係について「ブラジルが港の開発などで資金援助を行っているのは良いことだと思うが、こと人権問題になると弱腰になる。もっと強気に厳しくこの問題を追及してほしい」と語った。
 キューバの内政に関しては厳しい批判を展開した。フィデルとラウルのカストロ政権に関しては「フィデルの頃は政治犯を長期間投獄したものの非暴力的だったが、ラウルは暴君のように政治犯を捕らえて扱う傾向が強い」と語った。ラウル国家評議会議長による緩和路線に対しても「方向性としては正しいがまだまだ不十分」とした。
 同国の経済状況に関しては「ベルリンの壁崩壊以来、もはや社会主義国とは言えない」と語り、「料理人が食材を盗んで闇市で売るような社会になっている」と語った。
 また、来伯以来、青年社会主義連合(USJ)などの団体から受けている反対運動に関しては、「反対意見が起こること自体は民主主義国家として健全だが、発言を封じようとするのは民主主義ではない。言葉や身体への暴力はもってのほか」と批判。ヨアニさんは来伯以来、「金の亡者」などと罵声を浴び、空港で髪を引っ張られるなどの暴力も受けていた。
 この質問会のあと、サンパウロ市パウリスタ大通りの書店で行われる予定だったヨアニさんの本のサイン会は、書店の外で反ヨアニ派と親ヨアニ派が激しい討論を繰り広げていたため、中止となった。

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