ニッケイ新聞 2013年2月26日
キューバのラウル・カストロ国家評議会議長(81)は24日の議長選で再選後、これが最後の任期になることを明かし、第1副議長に後継者候補のミゲル・ディアスカネル氏(52)を据えた。25日付伯字紙が報じている。
2008年に兄フィデルの後を継ぎ、国家評議会議長に就任しているラウル氏は、2018年まで5年の任期をつとめることになるが、24日の議会で「この任期が最後になる。この5年は、将来のわが国の政権が滞りなく進めるよう、しっかりとした引継ぎを行いたい」と明言し、カストロ政権の終わりをはじめて公言した。
ラウル氏はこの後、現在82歳のホセ・ラモン・マチャド・ヴェントゥラ氏に代わる新第1副議長に、ディアスカネル氏就任と発表した。キューバ革命翌年の1960年生まれのディアスカネル氏就任は、はじめての同革命に加わってない人物の副議長職就任を意味する。
ディアスカネル氏は電気技師で、キューバ軍に従軍後、大学で教鞭をふるっており、1993年からキューバ共産党幹部の一員となった。2009年5月から高等教育相をつとめ、12年3月に閣僚評議会副議長に昇進。最近は外交代表として国際会議に参加する機会も多かった。
現在来伯中のキューバの反体制ジャーナリストのヨアニ・サンチェスさんは、従来から「キューバ革命未体験世代」への世代交代があると語っており、ディアスカネル氏の名も筆頭格の一人としてあげていた。リオ観光中だったヨアニさんは24日、今回のキューバ政府の決定は「ほんの小さな変化に過ぎない」と語った。
ディアスカネル氏はカストロ兄弟にきわめて忠実な人物として知られ、将来政権を受け継いでも、現状と大きく変わらないと見る向きが多い。