ニッケイ新聞 2013年2月26日
ブラジル沖縄県人会・ブラジル沖縄文化センターの『2013年度総会』が24日、同会本部で行われた。約150人が出席した。収支報告で不明な点が指摘されるなど、杜撰な会計に会場は紛糾。執行部が謝罪する事態にまで発展した。承認は3月以降の臨時総会に持ち越された。役員改選では、単一シャッパで田場ジョルジ氏(74、二世)の新会長就任が賛成多数で決まったものの、嵐の中での船出となった。
収支報告の不明点は、百周年の余剰金4万4千レアルの行方と、昨年7月にあった「第25回郷土祭り」(ジアデマ)の収支不一致の2点に絞られる。
移民百周年事業のために設けられた「百周年記念会計」の残高約4万4千レに関する記載がないことを、昨年2月まで県人会の会計事務を務めた山城八重子さんが指摘した。
執行部側は「一般会計に組み込んだ。明細は事務局にある」と説明したものの、報告書の収入欄に関係する記述がないことが厳しく追及された。
郷土祭りに関しては「ブラジル沖縄県人会」では赤字報告なのに対し、「ブラジル沖縄文化センター」側では約1万6千レの黒字になっている矛盾に疑問の声が上がった。
島袋安雄副会長は「主体であるセンター側の会計にのみ記載すべきものだが、なぜか両側に記載され、しかも数字にも齟齬が生じている。どうしてこうなったのか分からない」と歯切れの悪い説明に留まった。
「ブラジル沖縄県人会」とジアデマ市の「ブラジル沖縄文化センター」が百周年を前に統合され、現在の運営体制が作られた。
しかし、法律上は別団体であるため、それぞれ独立した会計報告を作らなければならない。各イベントの収支は、主体となった側の会計に報告されるべきもので、そもそも二つの会計に同一のイベントの収支が記載されることはないことから、運営会計の杜撰さが露となった形だ。
会場からの質問に対し、執行部から明確な回答が示されることはなく、「責任を持ってしっかりと見直す」と執行部が謝罪する事態となった。承認は見送られ、3月以降の臨時総会に持ち越された。
山城勇名誉会長(85)は本紙の取材に「収支報告が承認されない総会なんて初めて。最悪だ」とうんざりした表情を見せていた。
会の最後に行われた役員改選では、会長職を一期2年務めた与那嶺真次氏にかわり、田場氏が新会長に就任した。新役員は次の通り。
【会長】田場ジョルジ【副会長】島袋栄喜、知花ルイ、松堂忠顕、西原正三【書記】小波津セルジオ、池原あき子【会計】目差ジョン、金城ルイス。敬称略。