ニッケイ新聞 2013年2月27日
12年にサンパウロ市市長選に立候補したガブリエル・シャリッタ氏(43、民主運動党・PMDB)が、これまでに5千万レアル以上の賄賂を受け取っていると、かつての私設秘書から告発を受けている。26日付伯字紙が報じている。
シャリッタ氏は12年の市長選で4位となり、決選投票時にはハダジ現市長(労働者党・PT)を支援。見返りに政府入閣や14年のサンパウロ州知事選出馬の噂も流れるほどの期待の若手政治家だが、大きなスキャンダルが浮上した。それはサンパウロ州教育局長時代(2002〜06年)に、教育関係の企業から多額の賄賂を受けていたというものだ。
告発を行ったのは、システム・アナリストのロベルト・グロブマンさん(41)で、26日付フォーリャ、エスタード両紙が同氏への取材の内容を掲載している。
グロブマンさんはCOCという教育企業の一員としてシャリッタ氏と関わり始め、同氏の私設秘書となった。その当時シャリッタ氏は、教育局関連の事業に興味を示す企業との契約時に契約金額の25%の賄賂を要求していたという。
語学が堪能なグロブマンさんは、シャリッタ氏と一緒にユネスコの行事に参加するための旅行にも同伴、同氏の自宅にも頻繁に行き来していた。同氏の自宅や事務所では、女性秘書に届けられたカバンや箱に詰まっていた札束をシャリッタ氏が嬉しそうに眺め、床において仕分けしたり、支払いを行ったりする姿を目撃したという。
シャリッタ氏が自宅の改修や個人支出も賄賂で賄い、リオにアパートも買ったと聞いたグロブマンさんは、シャリッタ氏に倫理面から注意を行って喧嘩となり、暴露すると言うと脅迫されたという。収賄額は5千万レアル以上に上るという。
告発を受けたシャリッタ氏は「何の目的でどんな証拠があっていうのか」と否定している。