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国会議員=14、15カ月給を廃止=上下院議長の点数稼ぎか=一方で諸経費値上げの動きも

ニッケイ新聞 2013年3月1日

 2月27日、連邦議員の14カ月給と15カ月給を廃止する議案が下院を通過し、人件費が大幅にカットされることになったが、これは、汚職疑惑のある上下両院議長による議会のイメージアップ戦略と見られている。2月28日付伯字紙が報じている。
 14カ月給と15カ月給は、毎年、年始めと年末に払われていたが、2月27日の下院が承認した改定法案によれば、今後は議員就任時と退任時にのみ支払われることになる。13年の場合、14カ月給はすでに支払い済みで、15カ月給からがカット対象となる。
 この改正により、下院議員513人が4年の任期中に手にする、正式給与以外の補助手当ての合計は、従来の1億970万レアルから2740万レアルとなり、8230万レアルが節約されることとなる。また、上院議員81人が8年の任期中に受け取る補助手当ての合計は、従来の3460万レアルから430万レアルとなり、3030万レアル節約できる。
 なお、下院議員、上院議員の基本給与額の変更はないが、年毎の14カ月給と15カ月給のカットにより、来年以降の両院の人件費は、年間約3100万レアル削減されることになる。
 今回下院が承認した議案はグレイシー・ホフマン官房長官(労働者党・PT)が上院議員時代に提出したもので、12年5月に上院を通過したのち、議会内の財政委員会によって差し止められていた。今回の表決は各党のリーダーたちの間で合意が成立した後に行われたため、反対意見を述べたのはニュートン・カルドーゾ下議(民主運動党・PMDB)のみ。表決も、パネル表示さえない形式的なもので、絶対多数と見て承認という手続きがとられた。
 下院が14カ月給と15カ月給のカットに応じた背景には、2月の議長就任時に生じたマスコミや市民団体からの軋轢を和らげ、議会のイメージアップを図る意図があると伯字紙は分析している。エンリケ・アウヴェス下院議長とレナン・カリェイロス上院議長(共にPMDB)は、収賄や偽造の身分証明書や書類の使用、公金横領などの汚職疑惑があり、就任時に厳しい非難を受けた。伯字紙はこの2月、「ブラジルの連邦議員の給与は世界で2番目に高い」という報道を行っている。
 14カ月給と15カ月給の廃止に不満を漏らす議員も残ってはいるが、二つの手当てが廃止されても、議員たちは、秘書給与としての月7万8千レアルの支払いや、飛行機代や電話代、住宅手当などを受けとっている。また、手当て値上げを要請する議案もまもなく提出される予定という。